Berci Kristin Cop Masallari

乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺

乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺

『乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺』ラティフェ・テキン〈河出書房新社

赤ん坊を吹き飛ばし、奇病と失望をもたらす風が吹きつのるゴミの丘に、肩寄せ合って暮らす貧しき人々。いま、その丘にトルコを代表する女性作家が誰も見たことのない物語の花を咲かせる!

何度壊されても一夜にして出来上がるバラック街、奇妙な出来事、訳知りなジジイ、と『百年の孤独*1を想起させるようなガジェットが散りばめられているけど、それよりももっと現実が透けて見える。
農村から都市部に人が集まり、近代化とともに様々な問題が噴出してく様子が描かれる。
その問題が戯画的に表現されているんだけど、マコンドのようなどこしれぬ村ではなく、町が舞台のため、現実感が伴っている。