THE GANYMEDE TAKEOVER

ガニメデ支配 (創元SF文庫)

ガニメデ支配 (創元SF文庫)

『ガニメデ支配』フィリップ・K・ディック&レイ・ネルスン〈創元SF文庫696-21〉

星間戦争に敗北し,ガニメデのワーム型生命体に占領された地球。だが人類にはまだ希望があった。テネシーの山中で,戦前から抑圧されてきた黒人たちを率いて絶大な支持を受ける抵抗勢力の指導者パーシイ?が,ガニメデの平定を許さず反撃の機会を窺っていたのだ。そのパーシイのもとに,大学時代の同級生であり今は有名なテレビ番組司会者であるジョーン氷芦が訪れ,事態は動きはじめる。一方,異端の天才精神科医バルカーニが秘密裡に開発したものの,いまだだれも使用したことのない最終兵器が発見された。種の生存を賭けた,空前の幻視大戦が幕をあけようとしていた。西海岸精神文化の横溢する,ディック本邦初訳長編。

恒例の、過去作を読まんでないくせに、死んで30年の作家の初訳を読む催しw
本邦初訳長編とはなってるけど、タイロス出版さんから『ガニメデ・テイクオーバー』として同人誌で訳されてたんだよね。
まぁ、商業出版初ということで。
題名は、原題まんまの方がカッコイイよね。


PKD値は極めて低いから、サイコロふらずとも判断力が心もとないんだけど、これ、つまらないよね?(恐る恐る)
『ユービック』*1は面白かったもんなぁ。


地球が征服されているのに、相変わらず黒人と白人の闘争は続き、『アルタード・ステーツ』*2なマシンで超意識を体験し、博士は被験者を口説いているのを尻目に、ガニメデ人はレアなプラモと『三ばか大将』のテープをコレクションして、地球人の書いた精神科学の論文に心酔する。
ガニメデ人、いいヤツじゃね?w


合作の度合いはよくわからないそうだけど、全人類が幻覚に飲み込まれる件はディックっぽいよね。