The Grand Budapest Hotel


『グランド・ブダペスト・ホテル』鑑賞


ーンライズ・キングダム」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが繰り広げる冒険を、名優レイフ・ファインズを筆頭にオールスターキャストで描いた。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切り、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hは、究極のおもてなしを信条とし、宿泊客のマダムたちの夜のお相手もこなしていた。ホテルには彼を目当てに多くの客が訪れるが、ある夜、長年懇意にしていたマダムDが何者かに殺害されてしまう。マダムDの遺産をめぐる騒動に巻き込まれたグスタヴ・Hは、ホテルの威信を守るため、信頼するベルボーイのゼロ・ムスタファを伴い、ヨーロッパを駆けめぐる。

非常にチャーミングな映画。


目指しているものは違うかもしれないけど、マジック・リアリズムを説明するのに適した作品。
すなわち、観客と物語の間に語り手が二人挟まっているため、根幹の部分にどれくらい真実が映しだされているのかわからないし、そもそも嘘か真かなんてことはどうでもいい。
おもちゃかお菓子にような色彩、スラップスティックな展開など、ウェス・アンダーソンらしいメルヘンな世界観は、語り手か聞き手の脳内補正された映像かもしれないんだよね。
しかし、それはもはや確認しようがなく、そもそも楽しい物語に真偽を正す必要もない。
語り手と聞き手が楽しいのなら、物語を構成する共犯関係となる。


ティルダ・スウィントン、最近こんな役多くない?w