Noah



『ノア 約束の舟』鑑賞


ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、ラッセル・クロウを主演に「ノアの方舟伝説」を壮大なスケールで描くスペクタクル歴史ドラマ。ある夜に見た夢で、世界が大洪水に飲まれ滅びるということを知ったノアは、強い使命感に突き動かされ、家族とともに罪のない動物たちを救うため巨大な箱舟を作り始める。ノアの父を殺した宿敵ルバル・カインは、ノアから力づくで箱舟を奪おうとするが、争いの最中に大洪水が始まってしまう。箱舟はノアの家族と動物たちをのせて流され、閉ざされた舟の中でノアは神に託された驚くべき使命を打ち明ける。「ビューティフル・マインド」でもクロウと共演したジェニファー・コネリーがノアの妻役を務め、息子役にローガン・ラーマン、養女役にエマ・ワトソンがあたる。

予告で、ダーレン・アロノフスキーとスペクタクル巨編って結びつかないなぁ、と思ってたんですが、過不足なく、やっぱちゃんと作られてるなぁ。


トランスフォーマー(みたいなの)が出てきてビックリですよ!


宗教観はかなり薄められていて、舞台は異星にも遠未来にも見える。現に、冒頭で出てくる奇妙な生き物もあの世界の生物なのか、それとも方舟で救えなかった生物なのか判別できない。


前半は方舟造りと洪水で、普通にスペクタクルっぽいんだけど、問題は後半で、ここからのサイコスリラーがアロノフスキー印!
善良だから神に選ばれたのではなく、情状酌量の余地なく絶対に任務を遂行する人間だから選ばれた、というノアの解釈が素晴らしすぎる。
だからこそ、家族以外にもいたであろう罪なき人々を見殺しにし、ジャック・トランスばりに家族を追い詰める。


超巨視的には、狂信者だろうが、善良だろうが、ちゃんと言うこと聞いてくれるなら誰でもいいよ、という虚無感がシビれる。