Disconnect



『ディス/コネクト』鑑賞


SNS上で起こった事件をきっかけに、心の絆を取り戻そうとする人々の姿をサスペンスフルに描いた群像ドラマ。ある少年が、SNS上での嫌がらせを原因に自殺未遂を起こす。しかし、仕事ばかりで家庭を顧みなかった父親は、息子がなぜ自殺を図ったのかがわからない。一方、嫌がらせをしていた少年は、元刑事の厳格な父との父子家庭で、父親は威厳を示すことで愛情を伝えようとしていたが、少年はそんな父から愛情を感じるとることができなかった。互いの気持ちを知らずにいた2組の親子を中心に、つながりを求めてネット上をさまよう人々が、事件をきっかけに再び絆を取り戻そうとする姿を描く。監督は長編ドキュメンタリー「マーダーボール」でアカデミー賞にノミネートされた、ヘンリー=アレックス・ルビン。出演はジェイソン・ベイトマンアレクサンダー・スカルスガルドポーラ・パットンほか。

ネット上のやりとりを簡単に信用するなってことですよ。あと、どうでもいいゲームでクレジットカードを取り出すな。


SNSネカマに騙され、自殺未遂した少年とその家族。
彼を追いやった少年と、ネット犯罪専門の探偵をしているその父。
探偵に犯人探しを依頼した、クレジットカードの情報を盗まれた夫婦。


この三組で、ネットワーク犯罪を軸にコミュニケーション描いた群像劇。


リアルでの会話はないが、スマホやパソコン相手には饒舌。
見知らぬ人間だからこそ、家族にも話さないようなことをさらけ出して、相談してしまう。
匿名だからこそ親身になれるという良さがネットにはあると思うけど、匿名だからこその悪意が引き起こす破壊力は、それを帳消しにして有り余る。
リアルでなら、面と向かってそんなこと言うはずもないのに、自分も相手も見えないため、ネット上の暴力は歯止めが効かず巨大化してしまう。


3組の主人公たちは、それぞれ家族とはギクシャクしており、ネットの相手(虚像だとしても)に話し相手を求めてしまう。しかし、破滅的な事件を機に、対話が復活する。
そうしなくちゃ、正常な形になれなかったのかなぁ、とも思うんだけど、信用できるのはやはり家族、という点に落ち着く。
この結論から逆算すれば、探偵の行為はわかるんだけど、ここくらいは正義を求めたいよなぁ。