The Philosophers



『ラスト・ワールド』鑑賞


核による滅亡から免れる10人を選べという課題に直面した20人の学生が、仮想空間で繰り広げるサバイバルを描いたSFドラマ。インドネシアジャカルタのインターナショナルスクールで、卒業を間近にひかえた哲学クラスの学生20人に、卒業試験として哲学の思考実験の課題が出される。それは「迫りくる核の大惨事に備え、地下シェルターに入るにふさわしい人間を、自分たちの中から論理的に選び出せ」というものだった。それぞれ架空の人物設定を与えられ、終末世界を模した仮想空間に放り込まれた20人は、早速議論を開始するが、次第に心理に変化が生じ、さらには仮想と現実の境界もあやふやになっていく。出演は「ハリー・ポッター」シリーズのボニー・ライト、フレディ・ストローマら。

「哲学者たち」と原題どおりにされてもなんだかわからないけど、あまりにも安っぽい、凡百な邦題も何とかならなかったのかなぁ。


でも、これはなかなかアタリ。


哲学の最後の授業。
核戦争が起き、シェルターに入るべき10人を全員(20人+先生1人)の中から選べ、という思考実験が行われる。
各人にはそれぞれ職業が割り振られ、核戦争後の世界で文明を復興させるために誰が必要なのか、10人を選別していく。
一回目はいけ好かない先生を見殺しにしたことで失敗。二回目以降は、仕事の他の要素(性的指向や特技)なども加えられ、選別は難しく、さらに当然のように現実での人間関係と思考実験が相互に影響しあっていくことに……


選別、思考実験と聞くと『es』*1みたいなのかな、と思うけど、ちょっとそれとは違う。
また、教室から突然核戦争が起きた荒野に画面が飛び、この世界は実は……という疑いも持っちゃうんだけど、全体的には『人狼』みたいなゲームに感触が近いかな。


ゲームは3回行われるんだけど、見ているうちにこちらもあやふやになっていく現実と仮想世界、それぞれの顛末が面白い。
3回めの選別を、人間としては行いたいけど、無理だろうなぁ。


SF者としては、もうひとつ外側の箱も期待しちゃうけど、まぁ、この3回の思考実験そのものが、現実を変えようとする思考実験、というオチも悪くない。先生はクソ野郎だけどw


主人公のソフィー・ロウは、直球の美人顔じゃないんだけど、物凄く印象に残る女優だなぁ。
特にタレ目が!(ここ大事)