Philomena



『あなたを抱きしめる日まで』鑑賞


イギリスでベストセラーとなったマーティン・シックススミスによるノンフィクションを映画化し、50年前に生き別れた息子を探し続けた女性の姿を、「クィーン」のスティーブン・フリアーズ監督、名優ジュディ・デンチ主演で描いた。1952年、アイルランド。18歳で未婚の母となったフィロメナは親から強制的に修道院に入れられ、3歳になった息子のアンソニーアメリカに養子に出されてしまう。それから50年後、イギリスで娘のジェーンとともに暮らしていたフィロメナは、手離した父親違いの息子の存在をジェーンに明かす。ジェーンが偶然知り合ったジャーナリストのマーティン・シックススミスとともに息子探しの旅に出たフィロメナは、アメリカの地で思いもよらぬ事実を知ることになる。「24アワー・パーティ・ピープル」などで知られる英俳優スティーブ・クーガンが企画を立ち上げ、脚本やプロデューサーを務めたほか、原作著者でもあるシックススミス役を演じている。

お涙頂戴的な邦題がついてるけど、原題通りフィロミナおばちゃんの物語。


敬虔なキリスト教徒で、ロマンス小説が大好きで、あけすけで、誰にでも遠慮なく話しかけ、アメリカに対して偏見(デブが多いとか)を持ち、ドライブ中に飴ちゃんをくれるようなどこにでもいそうなおばちゃん。
そんな彼女と、皮肉屋で、宗教を信じていない元エリート記者の、擬似親子的な旅の物語。


ただのおばちゃんなんだけど、彼女には誰にも語ったことのない過去があった。50年前、私生児を産んだ彼女は両親に修道院に入れられてしまい、息子は勝手にアメリカに養子に出されてしまったのだ。
火事で当時の書類は燃えたという修道院だが、実はばれないように処分していた。
シックススミスの調査により、アメリカでの名前がわかり、渡米する二人。
フィロミナの息子は大統領の補佐官にもなっていることを突き止め、さらにシックススミスは彼と会ったこともわかるのだが……


まず、フィロミナとシックススミスの凸凹コンビが楽しい。ロマンス小説のあらすじを最後まで喋っちゃうところとかw
単なる記事のネタとしか考えていなかったシックススミスが、徐々にフィロミナの人柄に影響されていく。
まさに奇縁と言える物語なんだけど、彼らが辿り着く地もショッキング。それに対するシックススミスの怒りは観客の代弁なんだけど、それを赦すフィロミナはキリスト教者を超えて、人間愛の理想型。


それにしても、未婚の母は許されないけど、それを勝手に養子として売っちゃうのはOKっていうのはわからないなぁ。