The Secret Life of Walter Mitty



『LIFE!』鑑賞


ジェームズ・サーバーの短編小説をノーマン・Z・マクロード監督、ダニー・ケイ主演で映画化した「虹を掴む男」(1947)を、ベン・スティラーの監督・主演で新たに映画化。1936年の創刊から2007年に休刊されるまで、世界で幅広く読まれたアメリカのグラフ誌「LIFE」の写真管理部で働く臆病で不器用な男が、人生変える波乱万丈の旅に出る姿を描く。LIFE誌の写真管理者として毎日地下鉄に乗って通勤し、変化のない日々を過ごすウォルター・ミティ。彼の唯一の楽しみは、むなしい現実から逃避する刺激に満ちた空想をすることだった。そんなある日、LIFE誌の最終号の表紙を飾る大切な写真がないことに気付いたウォルターは、カメラマンを探すため一大決心をして一歩を踏み出す。

「虹をつかむ男」*1の映画化。よくも、まぁ、あんな短い話を映画化したもんだ。1947年の『虹を掴む男』*2は未見。


予告が素晴らしすぎて、あのテンションで映画化されたら傑作間違いなし! と思ったら、う〜ん……平均的に良い映画でした。


妄想癖がある男の冒険譚、という脚色になっている。
「LIFE」誌が舞台で、短編小説の題名にも引っ掛けていて、かつバーチャルではなく現実の人生を楽しめ、というテーマは上手いと思う。


原作小説が書かれた頃(1939)に比べれば、かつてのウォルター・ミティが妄想するような、北極海でサメと遭遇し、アイスランドで噴火に巻き込まれ、ヒマラヤに雪豹を探しに行く、というのは現在では夢物語ではなく、現実にできることなんだよね。
世界と見よう、という理念と実際の世界の前には、どんな妄想も入り込む余地がない。


観ると、旅行に出たくなる一本。