RoboCop



『ロボコップ』鑑賞


瀕死の重傷を負った警察官が全身を機械化したロボコップとなって活躍する姿を描いたポール・バーホーベン監督による大ヒットSFアクション「ロボコップ」(1987)を、新たに映画化。2028年、巨大企業オムニコープ社がロボット技術を一手ににぎる世界。米デトロイトで愛する家族と暮らす勤勉な警察官アレックス・マーフィーは、勤務中に重傷を負い、オムニコープ社の技術によりロボコップとして新たな命を得る。驚異的な力を身に付けたアレックスだったが、そのことから思わぬ事態に直面することとなる。監督はメキシコ出身の新鋭ジョゼ・パジーリャ、アレックス役はスウェーデン出身のジョエル・キナマンゲイリー・オールドマンサミュエル・L・ジャクソンマイケル・キートンらが脇を固める。

旧シリーズ*1の印象が強すぎて、リブートはどうなの? という危惧しかなかったんだけど、いやいや、しっかりした作品に仕上がっていますよ。


最大の不安だったビジュアルも、いざ見るとカッコいい。何故か生身の右手も意味あるし。


驚いたのは、旧作を想起させるような(パロディ的)表現が全く廃されてること。拳銃クルクルも階段落ちもないんだよね。
共通するのは、ロボコップ、オムニ社、主人公の名前くらい。
旧作が、崩壊したデトロイト社会を描いたのなら、今回はロボコップを正面に置いて、アメリ軍需産業を批判している。
また、前作がメカから人間としての感情に目覚めていく展開だったのに対して、こちらは自由意志とは何? 生化学で操れる人間の脳とメカの差異は何? というイーガンやチャンのような現代SF的な問いかけもある。
ただ、そちらに比重をかけすぎたのか、デトロイトがロボが必要なほどの犯罪都市には見えないんだよね。そもそも、あと14年であんなに綺麗にならんでしょw


ヴァーホーヴェンが大好きだった未来CMがない代わりに、今回はサミュエル・L・ジャクソンが司会を務めるニュースショーが挿入される。
これがいい味出していて、始めの頃は、さも、アメリカ人の総意、本音的な印象を与えるんだけど、実は……という作り。
また、中学生男子魂を震わせるロボコップのテーマが、この番組が作ったことも判明w


主人公のジョエル・キナマンはあんまり印象がないんだけど、ゲイリー・オールドマンの博士は良かったなぁ。マッドサイエンティストに近い人間なんだけど、オムニ社の倫理は承服しかねる、というのが顔に現れるんだよね。で、やっぱり欲しいのは研究費w


続篇作るなら、是非、お子様に大人気の変形ギミックを!