HUNGER



ついでに、スティーブ・マックイーン監督の長編デビュー作『ハンガー』も視聴。
劇場公開されてない映画がネット配信で見られるんだから、凄い時代になったもんじゃw


1981年、北アイルランドのメイズ刑務所には、サッチャー首相により弾圧され、政治犯としての権利を奪われたIRAの囚人たちが収監されていた。ボビー・サンズを中心とした彼らは、自らの信念を貫くため、様々な抵抗を重ねたが、看守たちはそれを暴力で制圧していた。あらゆる手を尽くしても変わらない惨状に、サンズは、最後の手段として暴力に依らない抗議活動、ハンガー・ストライキの実行を決意する。

それでも夜は明ける』以上に台詞が少なく、主人公たちが何を求めているのかわからず、IRAの知識は『Masterキートン』しかない素養の低さなので、さすがに調べてしまった。


IRAアイルランドという「国」のためにイギリスと戦っているのだから、彼らは私欲の犯罪者と一緒にするのではなく、政治犯として扱え、という要求を描いている。
最もわかりやすいのが囚人服ではなく私服を着る権利で、これのための抗議活動が裸に毛布や髪も髭もぼさぼさ、牢獄の壁を汚物まみれにする、という行為。この知識がないと、これが刑務所側の弾圧に見えちゃうし、無理矢理髪を切られたり、面会時に服を着させられてる意味がわかる。


何をやっても要求は通らず、最終手段としてハンガー・ストライキを決行する。
この最後のファスベンダー痩せっぷりが、ホントにドン引きレベル。『マシニスト*1とか『ダラス・バイヤーズ・クラブ』も凄かったけど、病的という意味では彼が一番かも。
水と栄養剤で体重落としたらしいけど、それ、ホントに病人じゃん!


これまた暗くなっちゃう映画なんだけど、18日までの配信なんで、興味がある方はお早めに。