Nebraska



『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』鑑賞


ファミリー・ツリー」「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペイン監督が、頑固者の父親と、そんな父とは距離を置いて生きてきた息子が、旅を通して心を通わせる姿をモノクロームの映像で描いたロードムービーモンタナ州に暮らす大酒飲みで頑固な老人ウディのもとに、100万ドルを贈呈するという明らかに胡散臭い手紙が届く。すっかり信じ込んでしまったウディは、妻や周囲の声にも耳を貸さず、歩いてでも賞金をもらいにいくと言って聞かない。そんな父を見かねた息子のデイビッドは、無駄骨と分かりつつも父を車に乗せてネブラスカ州を目指すが、途中で立ち寄ったウディの故郷で両親の意外な過去を知る。ウディを演じた主演のブルース・ダーンが、2013年・第66回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。

『皺』*1となんとなく味わいが似てるんだけど、こちらはよりほっこりできる。


漠然と「いい映画だったな〜」と鑑賞後に思ったんだけど、思い返すと、いちいち面白いんだよね。デイビッドのムカつく従兄弟(双子?)がたまらないw 若かりし頃の正体が判明しちゃうお母さんもホントにいい味出してたし、じわじわと、且つグッと来る映画。個人的には『ファミリー・ツリー*2より好きだなぁ。


主人公のウディは認知症の初期で、ぼんやりとした表情がよく映る。最初は無表情か、意識が跳んでいるようにしか見えないんだけど、それが旅を続けていくうち(映画を見ている)に、なんとなく、何か言いたいのか・見ているのかが感じ取れるようになっていく。これは、息子のデイビッドの父への理解が深まっていることが、観客も同時に体験できているんだよね。
最初は、家族同様、宝くじ当選手紙を信じているウディを面倒臭く見ているんだけど、終盤、そんなゴミ当然の手紙がなくなった時の憤りときたら!


ラストもいいし、オススメ。