The Hobbit: The Desolation of Smaug



『ホビット 竜に奪われた王国』鑑賞

J・R・R・トールキンの不朽の名作を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前章となる「ホビット」3部作の第2部。魔法使いガンダルフやトーリン・オーケンシールド率いる13人のドワーフとともに、かつてのドワーフの王国エレボールを取り戻すため冒険を続けるホビット族の青年ビルボ・バギンズは、姿を変えることができる獣人ビヨルンや、巨大な蜘蛛の群れにも遭遇しながらも、やがて目指す「はぐれ山」へとたどり着くが……。「ロード・オブ・ザ・リング」3部作にも登場した人気キャラクターで、オーランド・ブルーム演じるエルフのレゴラスも再登場。エルフ族の新キャラクター、タウリエル役には「LOST」のエバンジェリン・リリー。物語の鍵となる邪竜スマウグの声を、英人気俳優ベネディクト・カンバーバッチが担当する。

原作ファンでないし(絵物語*1に目を通した程度)、前作*2は正直長くてかったるいなぁ、という感想だったんで、物凄い期待していたわけではないんだよね。ジャンル界隈の生き物として、半ば義務感で劇場へ。


いや〜、面白かった!


特に樽!
ひと昔前、D&Dに触れた世代が観たかったアクション映画じゃないかなぁ。『LotR』の狼煙およびトロール太鼓並に涙腺緩む。


ドワーフは野暮ったく戦い、エルフはあくまで優雅に且つムカつく戦い方w 
原作には出てこないレゴラスが、『LotR』同様オーランド・ブルームで登場。彼がアーチャー像を一変させたと言って過言ではない、ゼロ距離弓術は健在。でも、エルフ的高飛車のいけ好かない奴で、これを踏まえて『LotR』ではギムリと肩を並べるのね。
オリジナルキャラのタウリエルは『LOST』のそばかすちゃんことエバンジェリン・リリー。鼻がツンと尖ってて、マンガっぽい話にハマるんだよね。
それにしても、オーランド・ブルームレゴラス以外パッとしないなぁ……


前作で指輪を手に入れてしまったビルボは、早くも魅入られてしまっている様子。あの時にガンダルフに話していればこの後の歴史が変わったかも知れない〈中つ国史〉を強く感じさせる作りになっている。
テーマも強欲は身を滅ぼす、というのが明確になっている。


それは、作品後半の見せ場であるスマウグも同様で、彼は映画版ではサウロンの分身のような存在として描かれている。これにより『ホビット』と
LotR』は密接に関係のある物語である、という原作よりも強く、有機的にシリーズ観を打ち出している。
このスマウグがまた素晴らしい。
近年のゲームや映画では、ドラゴンは不当に貶められているけど、本来、神話においてドラゴンは神レベルの存在で、それこそ英雄が神の加護を得て倒せる怪物なんだよね。
この映画では、その巨大さだけで主人公たちを圧倒し、これは勝てんわ、という圧倒的な絶望感を与えてくれる。演出もよく、初めは宝物の山でスマウグを起こしてしまうから音を立てることがスリルにつながっているんだけど、後に金貨が雪崩れる音はスマウグの巨大さを表す恐怖になっているんだよね。
さらに、炎を吐く寸前の胸が光るのもヤバさを倍増。
ドワーフ工場の巨大ふいごでまた涙。


で、「ここで終わり!?」という無慈悲さw
これで、エルフとドワーフと人間の王たちの子(子孫)が集まって、〈指輪戦争〉の前哨戦を完結編で繰り広げるのかな、と期待しちゃう。


ところで、スマウグはどうやってあそこの入ったの?
あと、ラダガストも超サイヤ人化したら、さらさらヘアーになるの?


IMAX3Dで観たんだけど、ハイフレームのHFR3Dは好きになれないなぁ。全てがはっきりしすぎちゃって、物凄く作り物っぽく見えちゃう。全体的にゲームの画面みたい。