Snowpiercer



『スノーピアサー』鑑賞

グエムル 漢江の怪物」「母なる証明」などで知られる韓国の鬼才ポン・ジュノが、欧米のキャストを招き、初めて手がけた英語作品。再び氷河期へと突入した近未来の地球を舞台に、生き残った人類を乗せて走り続ける列車の中で起こる抗争を描く。2014年、地球温暖化を防止するため78カ国でCW-7と呼ばれる薬品が散布されるが、その結果、地球上は深い雪に覆われ、氷河期が再来してしまう。それから17年後、かろうじて生き延びた人々は「スノーピアサー」と呼ばれる列車の中で暮らし、地球上を移動し続けていた。列車の前方は一握りの上流階級が支配し、贅沢な生活を送る一方、後方車両には貧しい人々がひしめき、厳しい階層社会が形成されていた。そんな中、カーティスと名乗る男が自由を求めて反乱を起こし、前方車両を目指すが……。出演はクリス・エバンス、ソン・ガンホティルダ・スウィントン、オクタビア・スペンサー、ジェイミー・ベルエド・ハリス。原作はフランスのグラフィックノベル「Le Transperceneige」。

『ハイ-ライズ』*1が横になって走ってる感じ。もしくは高速の『逆転世界』*2


凍りついた世界を走り続けなければならない長大な列車。その中には人類最後の生き残りが階級に分かれて生活している。というビジュアルに強い力があり、リアリティを論ずるよりも、まずそれで映画世界に引き込まれるよう説得されてしまう。


しかし、反乱を企てる主人公たち最下層の人間がなんで存在しているのかは、見ている間ずっと疑問。特に働かされてるわけでもなく、ただいるだけなら、エネルギーがもったいないから切り捨てればいいのに。


ところが、ラストで先頭車両に辿り着き、ウィルフォードから語られて初めて最下層の必要性がわかる。これは完全にウィルフォードの思想であり、真理かどうかはわからないけど、列車以上にこれこそが非常にSF的。凍りついた世界がポストアポカリプスなら、ウィルフォードの思想はディストピアのそれ。


ポストアポカリプスとディストピア、その二者択一を迫られ、主人公はどちらを選ぶのか?


ヒューマン・トーチとかキャップとか、そんなイメージが強いクリス・エバンスが不屈のリーダーを演じる。『アイスマン』の時も思ったんだけど、単なるイケメン役だけでなく、かなり器用に色々出来る人なんだよね。
器用といえば、ティルダ・スウィントンは最初気づかなかったよ。
ジョン・ハートガンダルフ(汚い頃の)みたいになっちゃったなぁw