レイプ復讐もの2本

ちょうど続けて観たし、これは並べて語りたいなぁ。
両方とも【未体験ゾーンの映画たち 2014】の上映作品。


『母なる復讐』鑑賞


韓国で実際に起こった性犯罪事件をもとに、被害者女性の母親の復讐を描いたサスペンス。夫と離婚して一人娘の高校生ウナと2人で新たな生活を始めたユリム。新しい学校に転校したウナは、同級生のチョハンに恋心を抱くが、チョハンと不良仲間に力づくの暴行を加えられる。ユリムは裁判を起こすがチョハンは証拠不十分で無罪となり、不良仲間も保護観察処分で終わる。ユリムは失意に暮れるが、そんな時、ウナの携帯に暴行現場の映像が送られてくる。復讐を誓う母ユリム役に「黒い家」「黒く濁る村」のユソン。

『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』鑑賞


1978年のカルトムービー「発情アニマル」をリメイクし、男たちに陵辱された女の血みどろの復讐劇を描いたバイオレンススリラー「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」(2010)のシリーズ第2作。東ヨーロッパを舞台に、非道な男たちによって監禁、レイプされたニューヨーク出身の美人モデルの女性が、壮絶な復讐を繰り広げる。監督は前作も手がけたスティーブン・R・モンロー。

韓国映画のベタにエモい演出はあまり好きでないんだけど、この『母なる復讐』においては、まぁ、義憤に駆られますよ。
日本同様、凶悪犯罪にもかかわらず少年法に守られる加害者、という図式の問題提起としては成功してると思う。肺腑にずーんと来ますよ。


現実とフィクションの見分けがつかなくなってしまった方々に殺されちゃうんじゃないかというほど不良の役の演技は胸糞悪くなるし、チェロの動画は破壊力は凄まじい。その一方で、別れた旦那とか、その彼女(?)の弁護士、ウナの友達の扱いが中途半端に終わってるのがもったいない。特に友達(かなり可愛い)はもっと後味悪い展開にもできたと思うんだけどなぁ。


ただ、不良への復讐が生ぬるい。もう、寸刻みレベルの処刑しなくちゃ、等価にならんでしょ。
個人的に、虐待と性犯罪はハムラビ法典に則るべきだと思ってるんで。
あと、パチモン臭い邦題はやめるべきだったよな。


そういう意味では、『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』は理想通りの復讐。
この手の映画は目隠ししてない天秤みたいなもので、主人公がひどい目に合わされれば合わされるほど、その復讐ゲージは跳ね上がるわけで、観客はそれを期待するという、『母なる復讐』とは存在意義が違う見世物映画。


冒頭で、主人公には復讐に使える技能があることが示され、また、復讐への準備が巌窟王さながらで、単なるポルノではなく、映画としてちゃんと組み立てられてる。
そして、復讐方法は、自分の身に行われた仕打ちと浴びせられた言葉をなぞって処刑していくという、まさにハムラビ法典
スタンガンオヤジには、肛門に電極突っ込んで欲しかったんで、それだけがマイナスポイントなんだけど、あとは苦しめ抜いていくんで、スカッとしますよ。
全くオススメしないけど。