Superman for All Seasons

アイアンマン3*1で一番好きなシーンは飛行機から乗客を助けるシーン。ダークな雰囲気で深刻に悩んだり、ヴィランと戦い続けるのも嫌いじゃないけど、やはり、ヒーローはカラフルで、人助けして欲しいんだよね。あそこまでフィクション的無私のシーンって、映画でもコミックでも意外にないんじゃないかなぁ(あれも新機能の紹介ではあるけれども)。


今作は、そんな、こうあって欲しいというヒーロー(=アメリカ)の理想像が四季にわたって描かれている。
スマートでリーダー然としたクラークではなく、朴訥で、力強く、平和と隣人を愛するクラークがここにはいる。
スーパーパワーがなければ、スモールビルで一生を過ごしたのかもしれないなぁ、という平凡な側面と、しかし、パワーがあるからこそ、自分ができる最大限の努力を払うという非凡な、二つの面が備わっており、彼はそのバランスを崩さない。
ともすれば野暮ったいティム・セールの描くスーパーマンは、その人間性を説得力あるものにしている。非常に力強い太い絵だからこそ、赤青黄の三色のラインとして表現されるスーパーマンのスピード感は印象に残る。


近年訳されたアメコミの中ではベストの一冊。