Los ultimos dias



『ラスト・デイズ』鑑賞

「フェーズ6」のデビッド&アレックス・パストール兄弟監督によるパニックスリラー。室外に出るだけで心臓発作を起こす極度の広場恐怖症が世界的に蔓延し、人々は建物から外に出ることができなくなってしまう。やがて社会が崩壊し、人々は貴重な資源をめぐって争いはじめる。そんな中、バルセロナにあるオフィスから出られなくなった男性マテオは、街のどこかで出産を迎えようとしている妊娠中の妻ジュリアを探しに行くが……。スペインのホラー、スリラーなどジャンル映画を集めた「スクリーム・フェスト スペイン2013」にて上映。

全世界の人間がショック死するほどの広場恐怖症になった中、なんとか恋人に会いに行こうとする男の物語、とあらすじは面白そうなんだけど、実際ちゃちいんでしょ、と地雷を踏みに行ったら、これがなかなかのアタリ!


あっち行って、こっち行ってという買い物ゲームで、ラストは愛の力でなんとかする、とド定番の作りなんだけど、それを支える舞台がしっかりしているため、まるで安っぽくない。


何が起きているのか長々とした説明はなく、広場恐怖症が世界中に蔓延しつつあり、同時にそれが自分に近づいていることを、現在とのカットバックで描いていく。
外に出られないという設定勝ちで、そのアドバンテージを製作者はちゃんとわかっており、建物や駅の構内に汚いナリの人間で過密にすれば、町の全景を映さずとも、これまでの世界は崩壊したことがしっかりと示せる。


1ステージごとの危機がちょっと薄い気もするんだけど、まぁ、尺的にはこんなもんでいいのかなぁ。『ハイ-ライズ』*1+『蝿の王*2みたいになったショッピングモールとか、もっと見たかった。


ラストはちょっと予想外の展開を見せるんだけど、これもSFマインドと希望があり、好感が持てる。