Где я Была
- 作者: リュドミラ・ペトルシェフスカヤ,沼野恭子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/08/26
- メディア: 単行本
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現代ロシアを代表する女性作家による、本邦初の幻想短篇集。現実と非現実、生と死の狭間をたゆたう女たちを強靱な筆致で描く、めくるめく奇想世界。全18編を収録した日本オリジナル編集。
第一章 不思議な場所
・「私のいた場所」
・「家にだれかいる」
・「噴水のある家」
・「新しい魂」
第二章 東スラヴ人の歌
・「ソコリニキの出来事」
・「手」
・「母の挨拶」
・「新開発地区」
・「小さなアパートで」
・「復讐」
第三章 お伽話
・「母さんキャベツ」
・「父」
・「アンナとマリヤ」
・「老修道士の遺言」
第四章 死の王国
・「ふたつの王国」
・「生の暗闇」
・「奇跡」
・「黒いコート」
河出版異色作家短篇集(と勝手に命名)も5冊目。
かなりSF寄りだった〈奇想コレクション〉に比べてバリエーション豊かで、かつ様々な国の作家を知ることができるのが嬉しい。ただ、版型が結構バラバラなのがなぁ……叢書じゃないから当然なんだけどさ。
過去に『ロシア怪談集』*1に収録された作家なんだけど、個人的にはお初の作家。
シュールなものから民話風なものまで収められているんだけど、「死」や親子関係(特に母娘)をテーマにしているものが多い。
なんとなく、ものがあまりないように感じてしまうのは、ロシア作家という先入観があるからかなぁ。でも、ラジカセやコートなど、大それた品でないものがキーアイテムになっている作品も少なくないんだよね。
また、気詰まり、窮屈を思わせる物語も目立つ印象。ロシアのシュール系小説では、部屋の狭さを感じさせるものがよくあるような気がする。
お気入りは、「私のいた場所」「新開発地区」「復讐」「父」「アンナとマリヤ」「黒いコート」