THIS IS HOW YOU LOSE HER

こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)

こうしてお前は彼女にフラれる (新潮クレスト・ブックス)

ニュージャージーの貧困地区で。ドミニカの海岸で。ボストンの大学町で。叶わぬ愛をめぐる物語が、傷ついた家族や壊れかけた社会の姿をも浮き彫りにする――。浮気男ユニオールと女たちが繰り広げる、おかしくも切ない9つの物語。大ヒット作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者による最新作。


・「太陽と月と星々」
・「ニルダ」
・「アルマ」
・「もう一つの人生を、もう一度」
・「フラカ」
・「プラの信条」
・「インビエルノ」
・「ミス・ロラ」
・「浮気者のための恋愛入門」

オスカー・ワオ*1の親友、ユニオールを主人公にしたオムニバス短篇集。
ユニオールの生い立ちを見ると、作者の自伝的要素が強いことがわかるんだけど、浮気グセは……


まぁ、このユニオールがひどい浮気男で、50人の浮気相手のメールが婚約者にバレるって、ダメでしょ?
しかも、浮気する理由が、ドミニカ男だから、って(笑)
ただ、フィクション的シリアルキラーが捕まりたいという願望があるように、ユニオールも浮気がバレたい思っているような気がしてならない。浮気メールなんて完全消去するでしょ? 日記とかさぁ。
はたまた、オスカーの一族とは違った種類の呪いなのか?
激しい女遊びをする一方で、自分のことを見てくれないトラウマも持っている。母は兄ラファをかまってばかり、ミス・ロラにとってもユニオールはラファの身代わりにすぎない。
数多くの人間に自分の痕跡を残すかのように浮気を繰り返す。だからこそ、自身のアイデンティティのために、関係を書き残さなければならない。


お気に入りは、十代のユニオールと近所の女教師を描いた「ミス・ロラ」、心も腰も足も壊れてしまう「浮気者のための恋愛入門」


作者のインタビューによると、ユニオールは、報われないにもかかわらず、愛の前に自身をさらけ出すことができるオスカーに魅了されているとか。
個人的には、オスカー最期は、ユニオールの愛ある創作だと思うんだよね。『ウォッチメン*2を前提にしないと、説明できないけど。
ちなみに、ちょいちょいアメコミとSFネタは出てくる。ディレイニー好きなのかな? オスカーのギプスにも出てこなかったっけ? 14歳で『ダールグレン』*3か……