PARANORMALCY

その娘、パラノーマルにつき (ヴィレッジブックス)

その娘、パラノーマルにつき (ヴィレッジブックス)

lPCA(国際パラノーマル抑止機構)に所属する16歳のエヴィは、人間界にまぎれこむヴァンパイア、人狼、フェアリーたち――いわゆる“パラノーマル”を見分ける能力を使って彼らの正体を暴き、捕獲するという任務についていた。普通の女の子として過ごしてみたい、そう思い続けるエヴィの前に、ある日謎の少年が現れ、不思議な詩の一節をささやきかける。それは彼女の未来を大きく変える事件のはじまりだった……。

見よ、このライトノベル風な表紙を!
その先入観通り、内容は非常にライト。パラロマというより、向こうのYA小説なのかな。


個人的には、ロマンス成分はキスをするかしないかでキャーキャー言ってる程度でいいんだけど、他の優れたパラロマに比べると、舞台設定の掘り下げが浅い。
他作品ではヴァンパイアが担う役どころを妖精が演じていたり、人魚のオペレーターや、あまりに人間原理な組織への問題的とか、ユニークな点は色々あるんだけど、そのへんはあまり突っ込まれず。


まぁ、ある意味セカイ系で、エヴィの知る世界は極めて狭く、趣味は学園ドラマ、夢は高校に通ってロッカーを見ることとプロムに出ることと輪をかけて狭い(笑)
そんな彼女にとっては、パラノーマルのことも、組織のこともどうでもいいんだよね。
ただ、エヴィの造形を結構チャーミングにすることに成功しているので、そのへんの不満はある程度相殺されている。貧乳キャラというのもそれに貢献してるかな(笑)


一応話はまとまってるんだけど、謎は色々残されているので、三部作全て訳されることを希望。