vol.6

ナイトランド 6号 (夏2013)

ナイトランド 6号 (夏2013)

特集は「ゾンビ!」
こういうのが読みたかったんですよ!
それを、昨年のクソつまない某誌と言ったら……


・「狩り――そして、そのあとさき」……ジョー・R・ランズデール
夫の浮気により、すっかり冷え込んだ夫婦。
なんとか状況を良くしようと、狩猟旅行の二人で行くが……
すべての問題が、ゾンビが常態化した世界に立脚しており、作品内リアリティの巧さはさすが。
そんな世界でも、やっぱ男はしょうがないなぁ(笑)


・「忌まわしき艦影」……デリク・ガン
荷物を捨てながら、フランス船を追うイギリスの軍艦。
その船にはゾンビが積まれており、イギリスに感染させようとしているのだ!
これも面白かったんだけど、ラストの黒幕は誰?


・「ロンドン死者戦争」……ウィリアム・ミークル
発明家とともに、死んだ妻を蘇らせる機械を作ったチャレンジャー教授。
しかし、そのエネルギーは広範囲に及び、あらゆる死者が蘇ってロンドンを埋め尽くす!
『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』*1風味の作品でなかなか楽しい。
カーナッキとの共演もあったりするのかな?


・「屍の顔役」……グリン・バーラス&ロン・シフレット
ウェストに生き返された妻を追って、アーカムまでやってきたタワーズ
アーカムの顔役が死体を引きているらしいのだ。
創刊号*2に載った「ウェストという男」の続き。
また、シフレット作品のカーニーも登場。


【連続企画】夜の声〈ホラーの巨匠:作品とインタビュー〉第2回:ラムジー・キャンベル
・「マッキントッシュ・ウィリー」
少年時代、公園の不気味なあづまやにいたのは……
漠然としながらも、確固とした存在を持つ幼い日の恐怖。
それは単なる不安にすぎないのか、それとも超常的な何かなのか。
その境界の不安感が非常に巧み。


〈インタビュー〉「終わらない夢、想像力の闇」聞き手:ダレル・シュワイツァー
幽霊屋敷の話は面白いなぁ。


【来日記念/オーストリア・日本ホラー対談】
アンドレアス・グル―バー×朝松 健
グル―バーはホラーとか奇想系の短篇を多く書いているらしいから、ミステリーよりそっちを訳して欲しいなぁ。


【エッセイ】
・「クトゥルー・ミーツ・アメリカンコミックス(中)」森瀬 繚
シュマゴラス〜!


ピーター・カッシング生誕百年記念・特別寄稿「カッシング・オン・スクリーン」菊地 秀行


【連載コラム】
・「私の偏愛する三つの怪奇幻想小説」第6回
くしまち みなと氏。


・「Asian Horror Now」第6回
現在のキョンシー
ゾンビ人権の小説は面白そうだなぁ。


・「金色の蜂蜜酒を飲みながら」第6回
まんだらけでのイベントの様子


・「ファンタスティック・シネマ通信」第6回
『悪魔のいけにえ3D』


・「クトゥルー・インフォメーション(海外編)」マット・カーペンター
邪神たちのクラウド・ソーシング


次回は9月。特集は「妖女」
正直、今一番楽しみな翻訳文芸誌です。