燃える仏像人間



『燃える仏像人間』鑑賞

京都在住の新人クリエイター・宇治茶が作画、撮影、監督などをひとりでこなして作り上げたデビュー作。劇画タッチで切り絵を背景の上で動かす「劇メーション」を表現手法とし、実写映像も交えながら、人間と仏像の融合生命体がうごめく異色の世界観を創出した。京都で仏像の盗難事件が相次ぎ、女子高生・紅子も実家の寺の仏像が盗まれた上に、両親を惨殺されてしまう。両親と旧知である住職の円汁に引き取られ、両親の復讐に燃える紅子だったが、ある日、円汁が秘密にしていた部屋に偶然迷い込み、そこで両親と仏像が融合したかのような醜い仏像人間と遭遇する。紅子役は人気若手声優の井口裕香。円汁役は「天空の城のラピュタムスカ役で知られる寺田農

今年度、最大の必見作品かもしれん……


SFです!(断言)


H・R・ギーガー+スズキコージ諸星大二郎漫☆画太郎、的な絵柄で、内容以前に絵だけでグロ注意。
紙人形を動かして撮影された画面は三十数年前に見た『猫目小僧』を激しく思い出させる。
とにかく、物語ではなく、ヴィジュアルでクラクラしてくる。キャラクターが怪物なのか、グロテスクな筆致の人間なのか見分けがつかない。名前も真面目なんだかネタなんだかわからないし。
まぁ、物語も仏像と人間の融合ってイッちゃってるんですが(笑)


パンフも傑作で、日本で適当に記したキャラ設定を載せていた80年代を彷彿とさせる。この胡散臭さは、あの頃の駄菓子屋に通ずる。おどろどろしい絵も、お化け煙を思い出すなぁ……


客層を著しく選ぶ映画だと思うけど、個人的には大いに満足。