Cosmopolis



『コズモポリス』鑑賞

鬼才デビッド・クローネンバーグ監督が、「トワイライト」シリーズでブレイクしたロバート・パティンソンを主演に迎え、若き富豪がわずか24時間で破滅へと向かう姿を描いたサスペンススリラー。ニューヨークの青年投資家エリック・パッカーは、28歳にして巨万の富を築きあげ、金の動きに一喜一憂しながら、愛人たちとの快楽にふける毎日を送っていた。しかし、そんなエリックの背後に暗殺者の影がちらつきはじめ……。

ドン・デリーロの同名小説*1を映画化


あらゆるものが揃った巨大なリムジンの中が、作中の大部分。
常に高級なシートに収まっているのに印象は硬質で人工的。窓の外には街の様子が見えるんだけど、自動車の中からだから、常に流れており、なんとも落ち着かない。


クローネンバーグから連想される内臓感覚はないものの、巨万の富を得ながらデータでしかそれを知らない主人公に人間味はないんだけど、物語が終盤に進むに連れ、そのデータだけの資産はどんどん目減りしていくに連れて、彼も人間らしく(汚らしく)なっていく。食事をし、服は乱れ、排尿し、怪我を負う……


人造物(=左右対称)ではなく、勘(=非対称)を信じろ、というお話。