2013年7月号

今月の特集は、映画化に合わせて「翻案の魅力「二流小説家」」


・「男の乳房が揺れる夏」……デイヴィッド・ゴードン
両親と同居する38歳ニート
プールに行くと、片方の胸がやたらでかいロシア人のおっさんがいて……
強烈な題名に惹かれて買ってしまった(笑)
ただ、読み進めると強烈な肩透かし。
デイヴィッド・ゴードンは、ダメ男が親子ほども違う女の子にモテるというオブセッションがあるの?


・「鷹」……デイヴィッド・ゴードン
他の男とセックスしたい、と突然告白した彼女。
二人は話し合いの末、解決したかに見えたが……
現実と小説の境目が曖昧になっていく、ちょっとメタな感じの作品。
このまま人気が続けば、いずれは短篇集出そうだけど、今のところ読んだのはみんな似た感じの作品ばっかなんだよなぁ。


・「紳士の行方」……黒岩涙香
エミール・ガボリオの短篇「失踪」の翻案作品。
ミステリ的にも面白かったんだけど、「めでたしめでたし」という最後の一行にほっこり(笑)


・「カミの二つのコント+2」……カミ
コメント難しいなぁ。
『怪樹の腕』*1で翻案の面白さはわかったけど、
こういうのは、ちょっと趣味でないなぁ。


・「ワタシハ私」……マイクル・Z・リューイン
アルバート・サムスンものの短篇。
ある日、サムスンのもとに宇宙人を名乗る男が依頼に来る。
彼は父の手形が残された石が空き巣に盗まれたというが……
異邦人の寂しさ、それを支える存在、キャラクター全員がそれらを抱えている。
宇宙人と言えども「人は一人では生きていけない」わけで、それを認める優しさを余韻に残す。