Beasts of the Southern Wild



『ハッシュパピー バスタブ島の少女』鑑賞

新人監督のベン・ザイトリンが弱冠29歳で手がけ、低予算のインディペンデント作品ながらも、サンダンス映画祭カンヌ映画祭で受賞を果たして脚光を浴び、第85回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされたドラマ。米ルイジアナ州の湿地帯に、世間から隔絶された「バスタブ」と呼ばれる小さなコミュニティーがあった。少女ハッシュパピーは毎日がお祭り騒ぎのようなバスタブで気ままに生きていたが、ある日、大嵐が襲来したことをきっかけにバスタブは崩壊。さらに、父親のウィンクが重い病気にかかっていることを知ったハッシュパピーは、音信不通になって久しい母親を探しに外の世界へ足を踏み出していく。ハッシュパピー役はオーディションで選ばれた撮影時6歳の少女クワベンジャネ・ウォレスが務め、史上最年少でのアカデミー主演女優賞ノミネートを果たした。

正直、ちょっとピンとこなかったので、福田里香先生のフード理論*1に添ってお茶を濁すことに。


それほど長くない映画なのに、食事シーンが多く、それが物語上無意味になっていない。むしろ、それが物語を進める鍵となっている。
まず、ハッシュパピーが一人で食事を作ろうとする前半の光景。これは彼女の寂しい心情であると同時に、それが事件につながっていくことにもなっている。
次に中盤に出てくるカニパーティは、まさにコミュニティの生き残りたちの団結力を表している。
そして終盤の、魔法のワニの唐揚げは、まさに、ハッシュパピーの希望や夢が詰まりながらも、彼女の固い意志も秘めており、ダメ親父にさえ、魔法をかける。
ワニの唐揚げが食べたくなるなぁ。


ハッシュパピーの眼力とへの字口は非常に魅力的。
6歳ってよつばと同い年くらい? ヤバイな……