2004年2月号



特集は、「ミステリアス・ウェスタン」
SF・ホラー系作家多数なので着手。


・「丘の上の墓地」……エドワード・D・ホック
唯一の医者が出かけてしまった町。
そこに無法者の三兄弟がやってくるという噂が。
銃撃戦を始める訳にはいかない。
そこで考えた撃退方法は?
小咄的オチは好み。


・「弾丸には弾丸を」……フレドリック・ブラウン
とある町にやってきた流れ者。
無法者が、酒場に隠された宝を探しに来た騒動に巻き込まれてしまう。
銃は奪われ、酒場には空砲しか持っていない年寄りしかいない。
どうやって切り抜けるか?


・「シェイユートの保安官」……シオドア・スタージョン
荒くれ牧童たちが街にやってくる。
彼らの元仲間の保安官は……
時代は変わってしまう、というノスタルジーが重ねられ、荒くれたちなのに、ラストが非常に物寂しい。


・「微笑んだ少年」……エルモア・レナード
父親を無意味に殺された、白人とアパッチの混血の少年。
彼は、原因になった男を追跡して難なく殺した。
それから5年。
まるでインディアンのようになった彼は、父を殺した張本人の狩りのガイドとなって近づく。
ウェスタンを舞台にし、そこでなければ成立しない事件ということで、「ミステリアス・ウェスタン」という特集に一番ハマってる作品。


・「若者よ、西部をめざせ」……リチャード・マシスン
西部にやってきた、見るからにヤンキーの青年。
彼は、町で一番のガンマンを聞いて回り、決闘を申し込む。
青年の目的は?
現代的なサイコとウェスタンが、見事に融合している。
リアル・スティール*1所収


・「仕事」……ジョー・R・ランズデイル
中国マフィアに制裁をくわえるため、町にやってきた二人組。
彼らの標的は?
ランズデイル、エルビス好きなの?(笑)


・「ブラック・ブーツ」……ロバート・R・マキャモン 
何度殺しても追ってくるブラック・ブーツの男。
小さな町で休むが……
追われる主人公の見る幻覚が、非常に生理的嫌悪感にあふれていてイイ。
ミステリアス・ウェスタンというより、ウェスタン・ホラーで、謎めいた敵、謎めいた幻覚が推進力になって、ラストでそれらが恐怖として収束する。