Shadow Dancer



『シャドー・ダンサー』鑑賞

「マン・オン・ワイヤー」でアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞したジェームズ・マーシュ監督が、愛する息子を守るため密告者として生きる道を選んだ女性の姿を描くスパイサスペンス。1993年の北アイルランド。ひとり息子のマークを育てるシングルマザーのコレットは、幼い頃に弟を死なせてしまったある事件がきっかけとなり、IRAアイルランド共和軍)のメンバーとして活動していた。ある時、ロンドンの爆破未遂事件の容疑者として逮捕されたコレットは、MI5(イギリス情報局保安部)の捜査官マックから、このまま25年間投獄されるか、IRAの動向を探るスパイとして働くかの選択を迫られ、やむなくスパイとして生きることに。一方、MI5の組織内に怪しい動きを感じたマックは、「シャドー・ダンサー」というコードネームで呼ばれる、もうひとりの密告者の存在を突き止めるが……。原作はイギリスのジャーナリストで小説家のトム・ブラッドビーによる「哀しみの密告者」。

時代も地域もよく知らない第三者が客観的に見て、IRAとイギリスの反目は馬鹿らしいなぁ、という感想。
一族郎党全てがIRAで、アイルランド独立を旗印にしていて、わかりやすい挙国一致的体質だけど、20世紀末期では、大義もなく、単にイギリス政府に対してテロがしたいだけの集団にしか見えない。
メンバーの葬式で、柩を置き去りにする馬鹿らしさよ。
一方のMI5も正義の名のもとに正義はなく、昔からやってることは同じという馬鹿馬鹿しさ。
その中で、唯一芯が通っているのが母親の愛。