2002年8月号



追悼特集:ヘンリー・スレッサー
2002年は唯一、〈幻想と怪奇〉がない年。翌年の8月号を読むと、どうやら読者からお叱りが来た模様(笑)
スレッサーは変な話も多いんだから、〈幻想と怪奇〉で通しちゃっても良かった気もするんだけど。


・「ピカード博士のねずみ」……ヘンリー・スレッサー
ねずみで実験をしているピカード博士。
動物愛護の精神で、その妻がねずみを逃がそうとするが……
ブラックで、結構好き。


・「明晰夢」……ヘンリー・スレッサー
死んだ妻に会うため、明晰夢の訓練をする男。
徐々に、夢をコントロールできるようになっていくが……


・「ドーラをどうすべきか?」……ヘンリー・スレッサー
一見、バラバラに見える殺人事件。
しかし、被害者の共通点が、ある男の愛人でだということに気づいた刑事。
彼は、元売春婦に囮捜査の協力をしてもらうが、彼女は男と愛し合うようになってしまい……


・「ディナー・パーティ」……ヘンリー・スレッサー
遺伝子工学会社のパーティに潜り込んだ社会運動家
そこで、不正を見つけようとするが……
実はSF。


・「デュース」……ヘンリー・スレッサー
悪魔によって、圧倒的な強さを得たテニスプレイヤー。
しかし、勝つのが当たり前で、試合に退屈していた。
そこに再び悪魔が現れ、手強い相手を用意してくれるというが……
ちょっとクラシカルな香りもする「悪魔との契約」ものだけど、オチといい展開といい、短編の名手らしい話運び。


・「すすり泣き」…… ハーラン・エリスン&ヘンリー・スレッサー
酒場で、夫がトイレに立ったまま帰ってこないと訴える女性。
そこに向かった警察官だが、トイレには鍵がかかっていて……
コンビの配分はわからないけど、乾いた感じは、エリスンの風味がかなり強い。


・「ソープオペラの怪人」……ヘンリー・スレッサー
昼メロのスタジオで頻発するいたずら。
それは徐々に殺人へと発展。
脚本アシスタントは、そこに過去の出演者の影を見つけるが……