ROBOPOCALYPSE

ロボポカリプス

ロボポカリプス

やわらかな少年の声が、地球の、人類の、破滅を告げた。人間を傷つけることを禁じられたはずのロボットが、噛みつき、銃を手に取り、人間たちを狙い定め冷酷な殺害ゲームを開始した! キーワードは、ロボット防衛法。ありとあらゆる電気制御製品が反乱に参加、コントロールを失った世界で、人々は自分を護るため武装蜂起を始めた。ちっぽけな少女、マチルダを中心として――!

面白いかと訊かれれば、リーダビリティいいし、まぁ、面白いと思うんだけど、読み始めて早々に激しい既視感。読み進めれば進めるほど、それは強まっていく。
WORLD WAR Z*1にそっくりなんだよね。改めて見ると、題名のニュアンスも似てるし。
インスパイア(婉曲表現)されたのか、オーラル・ヒストリー形式が流行ってるのかは知らないけど。


肝心の面白さが上回っていればいいんだけど、そこは劣ってるかなぁ。
冒頭でお断りがあるものの、戦争に決定的な影響力を持った人々のみが取り上げられているため、どうにもフィクションっぽい。
オーラル・ヒストリー形式(厳密にはこの作品は違うんだけど)の優れた点は、当時を知る様々な人々の話を集めることによって、それそのもの描くことなく、点がつながって全体が見える(気がする)ところなんだけど、この作品は、英雄的大活躍した人々に焦点を当てているので、オーラル・ヒストリーの利点がなくなり、主人公たちが頑張ってるだけで、世界的な危機に見えなくなってしまっている。
また、取り上げられる人々が本当に、フィクション的主人公的キャラクターばかりで、特にマチルダの都合の良さは冷める。
スカイネットと戦う群像劇として読めば、悪くはないのかなぁ。


ただ、日本の職人のおっさんのエピソードは、町工場SF的に胸熱。


ところで、『ロボカリプス』のほうが、語感良くない?