vol.4

無事一年間、出たなぁ〜

ナイトランド 4号 (冬2012)

ナイトランド 4号 (冬2012)


【特集】オカルト探偵


・「凶兆の空」……ジョー・R・ランズデール
寂れた町の、檻に閉じ込められた男のもとにやってきた牧師。
男は、妻が怪物に殺されたと訴えて捕まっていた。
牧師は、男が暮らしていた小屋に向かうが……
ランズデールということで、もっと、けばけばしく、舌がしびれるようなケレン味を期待してたんだけど、なんか普通……
拳銃使いの牧師というヴィジュアル的には、日本の漫画で激しくデジャブ。
ストーリーも、妖怪ハンターものとして特色なし。


・「ミイラ捜索」……ロン・シフレット
博物館で警備員が殺されて、ミイラが盗まれた事件の調査を依頼されたカーニー。
依頼主の教授によると、呪文で自分が蘇らせてしまったというのだが……
「ピックマンの遺作」に続く、アーカムの私立探偵カーニーもの。
単品ではさほどではないけど、オカルトを信じてないのに、そんな事件ばかり転がり込んでくるパターンは、続けて読むと意外に効いてくるかも。


・「慈悲の尼僧」……ウィリアム・ミークル
病院で、尼僧の霊に患者が殺される事件が発生。
新兵器を持ち、カーナッキは除霊を試みるが……
ミークルはカーナッキものを復活さて、書き継いでる作家だとか。
しっかりカーナッキとして成立してるけど、本家にあるアバウトさが欲しいなぁ。


・「墓所の怪事件」……ロバート・E・ハワード
死んだ双子の弟が蘇って家に来たという資産家。
吸血鬼だという彼に対して、主人公たちは、勘違いじゃないかと墓所に向かうと……
オカルトに見えるけどちゃんとトリックがある事件と見せかけて、クトゥルフ的世界に転がり落ちるさまが、絶妙なバランスを取っている。
今回は、これが一番面白かったかも。


・「最後の『ネクロノミコン』」……ラリー・ニーヴン
ネクロノミコンを使った学生運動の顛末を描いたショートショート


【エッセイ】
・「パリの深い闇とブルターニュの遠い微光」高野史緒
・「怪奇探偵シャーロック・ホームズ――コナン・ドイルの怪奇趣味」北原尚彦


【連載コラム】
・「私の偏愛する三つの怪奇幻想小説」第4回
芦辺拓氏。


・「Asian Horror Now」第4回
中華圏の秘密組織と妖怪ハンターたち
ふと思ったんだけど、シリアスな霊幻道士ものとかって、ないのかな?
日本の陰陽師的な立ち位置で。


・「金色の蜂蜜酒を飲みながら」第4回
ラヴやんの男の娘姿が!


・「ファンタスティック・シネマ通信」第4回
『トールマン』


・「NIGHT LIBRARY」第2回
翻訳ものは、さすがにほとんど読んでるなぁ。


次回は3月。2年目!
特集は「サイバーパンク・SF/ホラー」