LA AVVENTURE DI PINOCCHIO

新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)

新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)

『老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る』*1の準備として着手

「ぼくだって、いつか人間になりたいよ…」イタリアで生まれ、世界中の子供たちから愛され読みつがれてきた、あやつり人形の物語。なにもかもが木で出来ているから、考える事もとんちんかん。自分を作ってくれた、かわいそうなおじいさんを想いながらも、いたずらを繰り返し、あれこれ事件を巻き起こす。あと一歩で幸せになれるというところで、いつも失敗してしまい―。芥川賞作家・大岡玲の新鮮な訳により、現代に蘇ったピノッキオ。生きることへの深く、鋭い洞察に満ちていることに、あらためて驚かされる、永遠の名作。

意外に、『ピノキオ』*2の原作を読んだ人って少ないんじゃないかなぁ?
それ以前に、ディズニー映画も観たかあやふやで、個人史的には『樫の木モック*3が全て(笑)パクリかと思ったら、ちゃんと原作は『ピノッキオの冒険』になってるのね。


それはさておき。


絵本なり、アニメなりを経験しておいたほうが、そのギャップが楽しめる。


昔からピノキオのキャラクターは好きでなかったんだけど、原作はそれを遥かに上回る糞野郎っぷり。とっとと薪にしたほうが、関係各位の精神衛生上、いいと思うんですが(笑)


解説のよると、道徳読み物なんだけど、「○○やったら、いい子になれますよ」という類のものではなく、「○○という悪いことがあるから、気をつけましょう」という反面教師的な性格を持って書かれたもの。だから、ラストのハッピーエンドに必要な、受難ではないんだよね。完全に作者の加虐趣味のおもちゃ(笑)
とは言え、酷いこと多すぎ。
ジェペット爺さんは始まってすぐに虐待容疑(濡れ衣)で逮捕されるし、コオロギは登場間もなく、ピノッキオの投げたトンカチで死亡。
ピノッキオはピノッキオで、縛り首になったり、フライに調理されそうになったり、トラバサミにかかったり、なかなかのハードライフ。ちなみに、全部自分が悪いんだけど。


ピノッキオの代名詞とも言える伸びる鼻は、原作ではあまり登場せず。むしろ、嘘以上の悪さが目白押しでそれどころではない(笑)


予習という意味上に楽しめた。
ディズニー好きにオススメ。