DHIMITER

エクソシスト*1の作者による最新作。

あらゆる宗教への弾圧が続く、1973年の東ヨーロッパ・アルバニア。ある日、死者の名を名乗る男が国家保安省に連行された。彼は苛烈な拷問にも屈せず、正体を決して明かさない。男がいくつもの謎を残して、姿を晦ませるまでの経緯を綴った「第一部」。翌年エルサレムの病院で、ピエロに扮した男が“奇跡”を起こして去る目撃談が語られる。その後も、炎上した車から運転手が何者かに連れ去られ、キリストの墓に他殺体が残されるなど、相次ぐ謎に医師と警官が翻弄される「第二部」。そして「第三部」で明かされる、人知を超えた戦慄の真相。『エクソシスト』の著者が極めた入魂の傑作。

オカルトなのかな? サスペンスなのかな? でも、背表紙は黄緑だな、とそんな感じで展開していく。


名前だけは知ってたけど、アルバニア鎖国状態で、宗教禁止なんてことをしていたという事実のまず驚かされる。
そんな場所から舞台がエルサレムに移るとなると、ベクトルが定まると思いきや、物語は謎のスパイを巡る追跡となる。
しかし、その間も謎めいた手紙やオカルティックな描写が散りばめられ、地雷原でダンスをするかのような足取りで、どこともなく進んでいく。
そして、真相がパズルを組み立てるがごとく解かれていく第三部。でも、そのラストはどうとでも解釈できるような、意味深なような……
エクソシスト』(映画*2しか見てないけど)とはまた違ったアプローチと読んでしまったけど、誤読してるか?