DES ANGES MINEURS

無力な天使たち

無力な天使たち

襤褸切れから生み出された『救世主』、荒廃した世界で資本主義を復活させたヴィル・シャイドマンが、生みの親である不死の老婆達に語った、四十九の断章からなる、結末を欠いた奇妙な物語。

コードウェイナー・スミスに例えるのは褒めすぎ?


物語は遠未来(たぶん)。
49章は決して編年体ではなく、時代も場所もバラバラで、背景も全く説明されない。一つの章が短く、舞台を推測する余裕も与えられない。
しかし、読んでいると、繰り返し現れる名前に気づき、幾つかのつながりが見えてくる。老婆たちのよってボロから生まれた男。資本主義の復活。異世界(未来? 宇宙?)からの観察者。母親の肉を食べるまでに荒廃した町。おかしな車。異郷への探検隊。夢に現れる女性。収容所出身の文学者……
さらに、25章を中心として章が対(24と26……1と49)になっており、それらを踏まえると、異形の未来史が見えて……こないんだよね。


なんか、深読みされることを前提に、思わせぶりなガジェットを配置し、でも、全く意味が通らないものを書いているような気もするんだよね。


個人的には嫌いでないんだけど、オススメは……