Prometheus

『プロメテウス』鑑賞



『エイリアン』*1と『2001年宇宙の旅*2にオマージュを捧げたファンムービーって感じ(笑)


重箱の隅から重箱本体まで、つつきどころだらけ。
ヴィジュアルはいいんだけど、それを支える物語と設定が欠陥住宅リドリー・スコットはSFっぽい映像には好きだけど、SF自体には興味ないのが露呈している。


唯一良かったのは、デヴィッド演じるマイケル・ファスベンダー
きれいなあ〜るくん、といった感じで、いつ「ロボットじゃないよ、アンドロイドだよ」と言ってくれるのかと(笑)
そのデヴィッドにしてもなぁ……


以下ネタバレ


細かいこと言い始めるときりないんだけど、開腹手術で腹を横に切ってるのは、カメラアングル的演出でしょうがないとうことにしておきましょう。
古代文明に人間を作った宇宙人が記されているっている言うのも、デニケンっ子としては別にいちゃもんつけるつもりもないですよ。


そんなことでなく、物語と設定と演出の整合性がまるで取れてない。
しかも、編集でカットしちゃったようにも思えないから『ダークナイトライジング』よりもたち悪いかも。


初っ端の、35光年離れた惑星に行くのに、2年の冷凍睡眠って! 
2年くらい起きてるか、35年間寝かせておくかの、どちらかにするべきでしょう。往復70年の方が、ウェイランド社長にとって絶望的な時間になったと思うんだよなぁ。
ワープは人間に悪影響があるから冷凍睡眠しなくちゃいけない、とか一言入れるとか。


惑星に着いてからも、空気が地球と同じ組成だからっていきなりヘルメット外しちゃうとか、地質学者で座標もわかってるのに遺跡内で迷子になるとか、女性が三人乗ってるのに医療マシンが男性専用とか、異星生物に乗っ取られるのはミルバーンの方が自然じゃない?とか、エリザベスが妊娠できない設定はいらなくない?とか、まだまだ、いっぱいあるわけですよ。


創造主と創造物のどちらに視点を定めるかはっきりさせないまま物語を進めちゃうから、デヴィッドの行動原理がわかりにくい。
アンドロイドが魂を持ってるかどうかは、冒頭で好きな映画を見ていることで示されている。
エンジニアと人間、人間とアンドロイド、という関係性の中、妊娠できないはずの女性の妊娠=処女懐胎という創造主の真似事をしたくなったのかな? とか、矛盾する命令で狂ったHALのように、エリザベスへの片想いで異常な行動に出たのかな? とか、SF者的に深読みしてあげれるけど、そこはもうちょい説明あっても良かったんじゃないかなぁ。


みんな楽しみにしていたエイリアンはほとんど登場せず。エンジニアたちを皆殺しにしたエイリアンはどこ行ったの?
ノストロモ号が見つけたのも、あれと同型っていうだけだしなぁ。


で、結局、なんだったの?
思わせぶりもいいけど、今回はそれがあまり効果的ではないような。


あれ、おかしいよね? と鑑賞後に会話が弾むので、友達と行く事をオススメ(笑)