2012年10月号

S-Fマガジン 2012年 10月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2012年 10月号 [雑誌]

今月の特集は、6月に亡くなったレイ・ブラッドベリ追悼特集」
ブラッドベリづくしなんだから、「SF IMAGE GALLERY」も合わせればよかったのに。


翻訳はエッセイ、再録含めて5本。
・「連れて帰ってくれ」 ……レイ・ブラッドベリ
死去の直前に発表された自伝的エッセイ


・「生まれ変わり」……レイ・ブラッドベリ
初訳。
墓から蘇った男は、かつて愛した女のもとへ行くが……


・「ピーター・カニヌス」…… レイ・ブラッドベリ
初訳。
自発的に患者たちを巡回している犬。
それを目撃した若き神父はあることに気づく……


・「霧笛」……レイ・ブラッドベリ
・「歌おう、感電するほどの喜びを!」…… レイ・ブラッドベリ
既訳作品だけど、SFMに載ったのはこれが初めて。
やはり、昔の作品に比べると、最近のはちょっと味わいが薄い。さすがに、ダシは出尽くしちゃったのかなぁ。
怪獣好きとしては、「霧笛」は何度読んでもいいね。


追悼エッセイの面々は、
新井素子梶尾真治瀬名秀明ニール・ゲイマンブルース・スターリンググレッグ・ベア/ウィリアム・F・ノーラン
なんだけど、生前の「わたしをしあわせな気分にしてくれるのは、今から二百年後、火星でわたしの本が読まれると知っているからだ」という本人の言葉が、全てを表している。SFでもなく、ファンタンジーでもなく、ブラッドベリなんだよね。


「タイム・スリップSFM」
今月はいきなり逆転して、1981年10月号。


大森望の新SF観光局」お休み


堺三保アメリカン・ゴシップ」第36回
ロバート・J・ソウヤー
最近の日本では、お馴染みでなくなりつつあるような……


「SF挿絵画家の系譜」第78回
明治中期までの挿絵画家事情。
芳年のゴタゴタが面白い。


「サイバーカルチャートレンド」第36回
電子ブレーカーにご注意


「サはサイエンスのサ」第209回
地震予知のこと


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、人工サヴァン症候群装置
香山リカは、21世紀の心理的被曝


「乱視読者の小説千一夜」は、特集に合わせて、ブラッドベリ編のアンソロジー


「現代SF作家論シリーズ」番外編
巽孝之氏によるブラッドベリ


「SFのある文学誌」第10回
『後世夢物語』


「パラフィクション論序説」第5回
実は、たまにこの世界は、全部仮想現実かも? と思うことがあるんだけど、別に何も変わらなくない? と気になりません(笑)


「MAGAZINE REVIEW」は〈F&SF〉誌
"Twenty-Two and You"マイケル・ブラムライン
"Perfect Day"C・S・フリードマン
が面白そうだった。


「人間廃業宣言」特別編
友成さんの若かりし頃が面白い。


来月の特集は、「日本SFの夏」