MAN ON A LEDGE

『崖っぷちの男』鑑賞



予告で、もしかしたら、キングの「超高層ビルの恐怖」*1の映画化か!? と期待している人がいるかもしれない(いないって?)のであらかじめ言っておきますが、違いました。


高層ビルの壁面に立つ男。
騒然とする街。
しかし、彼は自殺志願者ではなく、ある計画を持っていた……
突飛な状況を利用した
クライムもの。
ビルの外に立っているという自動的に緊張感を強いるシチュエーションに加え、主人公の目的と、仲間の行動が交互に語られていくため、観ていて飽きることはない。
飽きないんだけど……
以下ネタバレ。

この手の作品の醍醐味は、水も漏らさぬ計画に不測事態が起きることによるクリフハンガーと、それが見事成功するカタルシスだと思うんだけど、この作品は特に後者が薄い。
計画がかなり運任せで、スカッとしないんだよね。ラストは結局体力勝負だし(笑)


個人的には、全て仕込み、というオチが見たかったなぁ。
ホテルマンが仲間だとわかったときは、「おっ」と思ったものの、下で叫んでるホームレスみたいなおっさんも仲間とかさ。
主人公の相棒だったマイクの行動が、単にやはり裏切り者という印象を補強するだけで終わってて、抜き取った書類とかなんだったのの? そもそも、ホテルマンの顔見られたら、計画崩壊しない? 相棒と見せかけて、裏切り者なんだけど、でも実は仲間くらいやってくれないと、何のためにいたのかわからない。


また、エド・ハリス(おじいちゃんになっちゃったなぁ……)がダイヤをポケットに入れなかったら、どうするつもりだったの? ああいう行動を取らせてしまう心理的誘導の描写が欲しいところ。


まぁ、観てる間はあまり気にならないので、娯楽映画としてはそこそこかな。