How to Marry a Millionaire Vampire

くちづけはいつも闇の中 (ライムブックス)

くちづけはいつも闇の中 (ライムブックス)

ロマテック・インダストリー社を経営する科学者のローマン。同社が開発した人工血液は医療界に革新をもたらし、彼は巨万の富を得る。しかしローマンは実はヴァンパイアだった! そもそも同族たちのエネルギー源としで人工血液の製造と販売を思いついたのだ。ある夜、新製品の試作品を使用しでいたときに牙が一本抜けでしまったローマンは、あわてて深夜営業の歯医者に向かう。歯科医のシャナはマフィアの抗争に偶然巻き込まれて以来、血を見るのが苦手になってしまった。このままでは失職してしまうと悩む彼女の前に、謎めいた患者が現れる。黒髪で黒づくめのハンサムなその男性に思わずときめいたシャナだが、彼が取り出したのはなんと、大きな牙で……! 2009年度RITA賞パラノーマル部門ファイナリストの超人気シリーズがついに日本上陸!

こんな帯付けられたら、読むしかないでしょう。



パラロマはちょくちょくつまみ食いしてるけど、意外にメインストリームである吸血鬼ものは初めて。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア*1は読んだけど。
人間と共存するため、
人工血液を開発し、吸血行為をしなくなった主人公というのが結構ユニーク。さらに、その
人工血液を使ったダッチワイフの試用中に牙が折れて、歯科医のヒロインと出会うという馴れ初めが笑える。
また、ヒロインのシャナが(若かった頃の)キャメロン・ディアス的躁気質というのも、あまり見かけないかも。


最初は、シャナに偶然要素が集まりすぎていて納得できなかったんだけど、それが読み進めるうちに必然(っぽく見える)ように展開させていくのは、上手いかな。
あと、電話を使ったテレポートもいい。


他には、特筆することはあまりないかなぁ。
この手のパラロマって、必ず敵対勢力とのアクションシーンがあるんだけど、これはお約束? 「♪私のために争わないで〜」の変形ってことなのかな?
また、ローマンはセレブでゴージャスだけど、ヴァンパイアになる前は修道士だったため、禁欲の誓を立てていたって、作者の願望?(笑)


1巻で終わってる話かと思ったら、明らかにシリーズで、3巻まで訳されてるのね。
扶桑社ロマンス以外はチェックしてないから、こんな作品が出ていたとは露知らず。題名じゃ判別できないからなぁ。
題名といえば、原題のままの方(『セレブヴァンパイアとの結婚方法教えます』みたいな)がよりコミカルでいいと思うんだけど。