Tinker Tailor Soldier Spy

『裏切りのサーカス』鑑賞





ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』*1の映画化。


20年以上前、テレ朝の夜中に、渋いおじさまがミステリ(冒険もの?)を紹介する番組があって、今以上にそのジャンルには興味なかったんだけど、なんか毎週見てたんだよね。
そこで、その名を聞いて以来、原題で最も好きといっても過言でないのが、この作品。小気味いいうえに、謎めいているよね。
こんな話だったのね(笑)


西側、東側、サーカス、ラングレーとか、その手の単語に反応しちゃう脳の持ち主にオススメ。


映画としては、良く言えば渋い、悪く言うなら地味。
ハリウッド大作的な味付けの濃いステーキを期待していると、懐石料理が出てくるので注意。
冷戦下、MI6の上層部に潜むもぐら(二重スパイ)を駆り出すストーリーなんだけど、007のような派手なアクションはなく、非常に淡々と進む。しかし、画面に注視していないと、話が追えなくなる。これは原作読んでからのほうが、楽しめるかもしれないなぁ。
派手さはないが、全編にスパイの非情さがみなぎっており、裏切っていようがいまいが、その非情さには変わりなく、同時に職務を遂行するプロに徹した姿も表現されている。


常に曇った天気、落ち着いたロンドンの色調に溶けこむかのように、スマイリー演じるゲイリー・オールドマンが油が抜けきっちゃってるかのような演技で素晴らしい。
口数は少なく、素人には実力はわからないけど、スパイ的には侮れないんだろうなぁ、という感じがなんとも。


GW中だったからかもしれないけど、武蔵野館が満席。もうちょい公開館多くてもよかったんじゃないかなぁ。
年配の人も多く、ル・カレ・ファン?