KOMARR

ミラー衛星衝突 上 (創元SF文庫)

ミラー衛星衝突 上 (創元SF文庫)

ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)

ミラー衛星衝突 下 (創元SF文庫)

待ちに待った、最新刊。

惑星コマールの太陽エネルギーを補っているミラー衛星に操縦不能に陥った貨物船が衝突、七個の衛星のうち三つを破壊してしまった。テロリストの仕業なのか。破壊工作だとしたら、いったい何のために? 地球化事業省に勤務する夫をもつエカテリン・ヴォルソワソンは、皇帝直属聴聞卿である伯父が、調査のためにバラヤーからやってきたのを喜んでいた。だが、いっしょにやってきた同僚の聴聞卿を見て仰天した。九歳の息子と同じくらいの身長。前摂政の世継ぎだというマイルズ・ヴォルコシガンは、ミューティーなのだろうか。大人気シリーズ最新刊。
皇帝グレゴールとコマールの女性との結婚を前に、コマールで宇宙事故が発生。原因究明のために皇帝直属聴聞卿であるマイルズは、同僚とともにコマールを訪れ、彼の姪の家に滞在することになった。ところが、地球化事業省に勤める彼女の夫の様子が、どうにも不自然なのだ。思わずエカテリンのデータに侵入してしまったマイルズは、彼女の家族がもつ遺伝病の事実を知る。夫の不自然な言動は病気のせいなのか? だが、そんなマイルズの心配をよそに、コマールでは秘かに陰謀が進行していた。皇帝の結婚式の前に、マイルズは事件を解決できるのか?

まず言いたいのは、『メモリー*1から6年だよ! もう忘れちゃったよ!
もうちょい早く出して欲しいよなぁ。
かわいさ余って憎さ百倍! と言いたいところだけど、やはり面白いんだよなぁ(笑)


皇帝直属聴聞卿として、本格的に動き始める初の事件。
しかし、マイルズではなく、未来のマダム・ヴォルコシガン(?)たるエカテリンの紹介編という面が大きい。彼が選ぶ女性がどのようなパーソナリティの持ち主で、彼の魅力と欠点を理解できる人物なのか、親戚のおばちゃん並みに品定め(笑)。また、躁的な頭脳の回転と、不自由な身体ながらにエネルギッシュなマイルズを外からだとどう見えるのか、付き合いの長い我等に改めて教えてくれる。
それは、いろいろな意味でマイルズが部外者であるコマールが舞台で、慣れ親しんだデンダリィ傭兵艦隊や機密保安庁、愛すべき親族は出てこず、登場キャラが彼以外は初登場という点でも新たなスタートを意識させられる。


そのため、陰謀とマイルズの知略の印象は薄く、それを期待していると少々肩透かし。あくまで、若い二人のお披露目といった感じかな(笑)
題名は原題通りのほうがよかったような。


この後、未訳が三本あるんだけど、10年以内に出して欲しいなぁ……