3 SECONDES

3秒

3秒

レヴォリュ美術館の地下』*1の作者による新作。


3秒間の物語。
表紙の男の瞳へのズームで始まる。そこに映る携帯にズームし、携帯のレンズに映る男の背後にズームし……
光が反射していくように次々と場面が切り替わっていき、冒頭の男を取り巻く状況と情況が明らかにされていく。


構造は『ZOOM』*2と似ているんだけど、更に緻密で、かつしっかりとしたストーリーを持っている。
3秒という、一瞬よりは少しだけ長い時間にもかかわらず、けっして小説や映画に負けないサスペンスが展開される。


デジタルならではのグラフィックであり、WEB版の没入感は凄まじい。
台詞が皆無だが、何度も再読したくなる1冊で、海外コミックファンでもなくてもオススメ。


限られた情報から物語を読み解くのが楽しい。
以下ネタバレ。


国全体を巻き込むサッカーの八百長スキャンダルを描いている。


レナートの彼女(?)は暗殺者と通じている。
それは航空券や最後に割れるコンパクトに刻まれた言葉、涙でわかる。
また、何者かからのメールの「モグラ」は「スパイ」のことだよね?


飛行機は判事を消すために爆発。
ただ、それを示すアイテムは出てきてない?


金歯の男が黒幕?