THE LOST FLEET BEYOND THE FRONTIER: DOREADNAUGHT

彷徨える艦隊〈7〉戦艦ドレッドノート (ハヤカワ文庫SF)

彷徨える艦隊〈7〉戦艦ドレッドノート (ハヤカワ文庫SF)

ギアリーとデシャーニの甘い新婚生活も、一カ月しか続かなかった。アライアンス運営委員会から、二人のもとに緊急出頭命令が届いたからだ。ナバーロ議長によって、大佐から元帥への再昇進を告げられたギアリーは、謎の異星種族に関するさらなる情報を得るため、増強された第一艦隊を率いてシンディック宙域の向こうにある未踏宙域をめざす! だがそこで待ち受けていたのは、思いもかけぬ脅威だった……待望の第二部開幕!

前巻の『卒業』*1ばりのドラマチックなラストから、二人っきりでラブでロマなスイートホームを期待したんだけど、アライアンスは(作者も)、それを許してくれない。


新婚から一ヶ月、彼らが向かうは異星人の支配宙域の調査。
ギアリーは元帥に昇進し、名実ともに司令官となる。部下も反乱を企てる派は一掃され、信用できる艦長ばかりになって準備万端、と思いきや、政府は何やら企んでいるようで、ギアリーの足を引っ張る様なことしかしない。
しかも、救助した捕虜や分離独立したシンディック政府に悩まされ、本来の任務である調査になかなか進めない。


そういうわけで、題名変えたほうがいいんじゃない? と思ったものの、やはり彷徨ってます(笑)


作者が苦手なのかもしれないけど、ギアリーとターニャは乗艦中はプロに徹するという大義名分が示されるため、これまでにあったラブコメ感は薄い。それでも、時折見せる妻らしい顔や、少しだけ語られる結婚時の騒動は楽しい。しかも、『あの人』はちゃんと出てきてくれるし。
また、前作までの重要課題だった艦長たちの掌握は済んだため、その下の士官たちが紹介される。中でもジョンニンニ上等兵曹とシャムロック大尉は印象的。


そして、ラストで一気にスペースオペラに!
次巻以降も、やはり気になる。
その前に、5月から月を舞台にしたミリタリー三部作が開始とか。


あとがきがないと寂しいなぁ。