Don't Be Afraid of the Dark

『ダーク・フェアリー』鑑賞


30年近く昔、東京12チャンネルで昼間に『地下室の魔物』*1という映画を観たんじゃよ……
後味の悪いラストでなぁ……
自分の中で美化(?)されてるかと思いきや、数年前にようやくDVD化されたものを見ると、記憶どおりのトラウマぶり(笑)
それをデル・トロがリメイクするというわけじゃありませんか!


今時珍しいくらい、ホラー映画としてオーソドックスな作り。
オリジナルとの比較で語ると、原作厨っぽくなっちゃうけど(笑)、今回はしょうがないかな。
このオーソドックスなホラーという点だけとっても、真面目なリメイクを作ろうという思いの強さは伝わってくるんだけど、それが自縄自縛に陥っているようにも思える。


オリジナルとの一番の差異は、魔物に狙われるのが新妻ではなく子供。
魔物の存在を知る人物(前もいたっけ?)や、魔物のバックボーンも描かれている。
しかし、リスペクトしているからには、ラストを変えるわけにはいかない、という縛りがあるため、それらの改変部分と噛みあわず、「で、なんなの?」という消化不良状態に。
ヘルボーイ2』*2のトゥース・フェアリーくらい大騒ぎしてくれるかも? と期待してたんだけど、やはりオリジナルを大事にし過ぎちゃったのかなぁ。それやってたら、また文句言ったと思うけど(笑)


主人公が子供だから、無力であることも自然だし、目線が低いことで恐怖感を煽る効果があると思う。しかし、登場人物はほとんど妻だけ、屋敷から場面が変わらないという、オリジナル版の閉塞感(低予算だったからだと思うけど)が薄れてしまったのは残念。
また、完全にノスタルジーでしかないけど、やはり小人俳優の演じていた魔物の方が気持ち悪くてよかったなぁ……。


ただ、女の子の、心をなかなか開かず、でもすがるような表情は非常に良かった。
パンズ・ラビリンス*3とも絵面が似てるんだけど、デル・トロはバートンより女の子の使い方が上手いなぁ。


というわけで、オリジナル知らないほうが純粋に楽しめるかも。