The Strange Adventures of a Private Secretary in New York

秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫)

秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫)

『心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿』*1が思いの外面白かったことが記憶に新しいブラックウッドの新訳短編集。

芥川龍之介江戸川乱歩が絶賛したイギリスを代表する怪奇小説作家の傑作短篇集。古典的幽霊譚「空家」「約束」、吸血鬼と千里眼がモチーフの「転移」、美しい妖精話「小鬼のコレクション」、詩的幻想の結晶「野火」ほか、名高い主人公ジム・ショートハウス物を全篇収める。


 収録作品
・「空家」The Empty House
・「壁に耳あり」A Case of Eavesdropping
・「スミス――下宿屋の出来事」Smith : an Episode in a Lodging-House
・「約束」Keeping His Promise
・「秘書綺譚」The Strange Adventures of a Private Secretary in New York
・「窃盗の意図をもって」With Intent to Steal
・「炎の舌」Tongues of Fire
・「小鬼のコレクション」The Goblin's Collection
・「野火」The Heath Fire
・「スミスの滅亡」The Destruction of Smith
・「転移」The Transfer

文字通り、古典なので、順番逆なのはわかっているけど、どこかで見たことあるような作品ばかり。
しかし、これまでさんざん映画などで観てきたヴィジュアルが、原典を読むことでフィードバックされ、登場人物の行動を先回りして想像してしまえるため、怖さが増す。
その最たる作品が「空家」。まさに古典的幽霊譚なんだけど、得体のしれなさが非常に不気味。同じくジム・ショートハウス物の「秘書綺譚」「窃盗の意図をもって」も実録もののようで、今だったら『ブレアウィッチ・プロジェクト』*2っぽくなるかなぁ。


他に気に入ったのは、妖精譚のお手本のような「小鬼のコレクション」、個人的にはコズミック・ホラーとして読んだ「転移」あたり。