THE VERY PERSISTENT GAPPERS of FRIP

フリップ村のとてもしつこいガッパーども

フリップ村のとてもしつこいガッパーども

ソーンダース補完。

ガッパーは奇妙な生き物の名前。ガッパーはフリップ村の生活の糧・ヤギにくっつくのが大好き。これがくっつくと、ヤギは眠れなくなってミルクを出さなくなる。ガッパーを取り除くのは、村の子どもたちの毎日の仕事だが、ある日、頭のいいガッパーが現われて……。フリップ村の住人は、ふりかかった災難を自ら払いのけようとはしない。「過去にやってきたのとちがうことをやるのは反対だ」といって。「人生での自分の運命は受け入れなきゃ」といって。でも、主人公の女の子・デキルのお母さんはこういっていた。「たくさんのひとたちがおなじことを大きな声でいっているからといって、それが真実とはかぎらないのよ」さあ、デキルはどうするか?

『短くて恐ろしいフィルの時代』*1とテイストは似てるかな。
ただ、あんまり感想ないんだよなぁ。つまらないわけじゃないんだけど。
「たくさんのひとたちがおなじことを大きな声でいっているからといって、それが真実とはかぎらない」というのがテーマになっているのはわかるんだけど、それが、村人が助けてくれなかったり、彼らが自滅してしまう展開と、イマイチ上手く噛み合っていないような。
むしろ、変化を極端に嫌う父親の方が印象に残る。
また、ガッパーは嫌がらせをしようとしているわけでない、という事実もあまり効果が出てないかなぁ。


ただ、『短くて恐ろしい〜』より優っているのが、レイン・スミスの絵。これがひじょうによく、絵を見るために読むのもいいと思う。
ガッパーはエヘン虫にしか見えないんですが(笑)