АДАМ И ЕВА/БЛАЖЕНСТВО

アダムとイヴ/至福郷 (群像社ライブラリー)

アダムとイヴ/至福郷 (群像社ライブラリー)

世界の対立が深まり、ついに毒ガスを使った全面戦争が勃発! 死の町と化したレニングラードでは謎の光線を浴びて生き延びたアダムとイヴと光線を発明した科学者ら数人の人々が再会を果たしたが…(「アダムとイヴ」)秘かに時間飛翔機を発明していた技師が偶然部屋に居合わせた男ふたりとタイムトラベルした先は人間の理想を実現した23世紀の理想都市。未来社会に歓迎され引き止められた20世紀の人間は脱出を試みる…(「至福郷」)傑作『巨匠とマルガリータ』の前に上演を許されない戯曲を書き続けたブルガーコフが描きだした未来世界。

買ってから戯曲と気づく……


『運命の卵』*1、『犬の心臓』*2とSF的味付けのブルガーコフ作品は好みだったので楽しみにしてたのに、どうもイマイチ。
奇想の形を借りた政治批判なのはわかってるものの、その期待の奇想成分が薄く、批判部分ばかりが際立っている。
さらに、読み慣れていない戯曲だったせいもあるかもしれないけど、全体的にこじんまりしちゃってる印象が強いなぁ。SF的アイデアが広がる前に終わっちゃう感じ。
「アダムとイヴ」は最終戦争後の物語なんだけど、文明崩壊感はまるでなし。「運命の卵」にちょっと似ていて面白くなりそうなんだけどなぁ。
「至福郷」は未来がまるで理想郷に見えない。


個人的には、普通に小説を読むことをオススメ。