Steel and Other Stories

よもや、1年の間に、3回も「リアル・ステイール」を読むことになろうとは……
マシスンは映画化も多いし、コンスタントに出るね。
早川書房から出た同名短篇集*1とは、表題作以外は被り無し。

かつては“鋼鉄”と呼ばれたおちぶれたボクサーが、男の誇りをかけて一世一代の大勝負ロボットファイトに挑む、映画化表題作の他、翻訳不可能と言われていた異色作「ジョークの起源」、そして2010年に発表された自伝的とも称される新作「時の窓」など、多数の本邦初訳を含むバラエティ豊かな話題の15編を収録。サスペンス、ユーモア、そしてナンセンス。SFの巨匠・マシスンの腕が冴える究極の傑作短編集!


・「リアル・ステイール」Steel
・「因果応報」To Fit the Crime
・「結婚式」The Wedding
・「征服者」The Conqueror
・「日記さんへ」Dear Diary
・「下降」Descent
・「なんでもする人形」The Doll That Does Everything
・「旅人」The Traveller
・「時代が終わるとき」When Day Is Dun
・「ジョークの起源」The Splendid Source
・「レミング」Lemmings
・「境界」The Edge
・「サンタクロースをたずねて」A Visit to Santa Claus
・「ドクター・モートンの愚行」Dr.Morton's Folly
・「時の窓」The Window of Time

見覚えがある展開、予想できるオチの作品が多いんだけど、それこそが、マシスン短編の普遍性を表している。さすがにディティールは古かったりするんだけど、『トワイライトゾーン』的な短篇集として、純粋に楽しめる。


お気に入りは、
・「結婚式」
 結婚前に、奇妙なしきたりにこだわる男。
 どうやら悪魔絡みらしい。
 とうとう当日、無数のしきたりの一つが破られてしまい……


・「日記さんへ」
 日記に愚痴る少女。
 遠い未来なら、もっと幸せなはずなのに……


・「なんでもする人形」
 暴れん坊の子どもに追い詰められる芸術家夫婦。
 彼の相手をさせるために、ロボットを買うが……
 これも読むの三回目くらいだなぁ。


・「時代が終わるとき」
 人類最後の一人となった男。
 最後の詩作に励んでいると……


・「ジョークの起源」
 卑猥なジョークの起原を追うことを決めた青年。
 調査の果てにたどり着いたのは?


・「時の窓」
 娘の迷惑になりたくないと、家を出た老人。
 アパート借りて、その窓を見ると、そこには彼が子供の頃の町が広がっていた。
 外に出て、散歩すると、彼が憧れていた少女がいて……
 『闇の王国』*2と対をなすような、ノスタルジックファンタジー