2011年12月号
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 雑誌
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今まで、こんな特集あったっけ? ○○年度英米受賞作特集とは別に。
翻訳は5本。
・「トロイカ」……アレステア・レナルズ
突如現れた巨大構造物を調査したロシアの宇宙飛行士。
彼は、そこで見、体験したことのせいで、帰還後に精神病院に入院していた。
なんとか逃げ出し、構造物の正体を予見していた元学者の家に向かうが……
主人公とも言える巨大構造物が、いかにもレナルズっぽい。
このワクワクする構造物と対照的な、陰鬱な未来が印象に残る。
・「懐かしき主人の声」……ハンヌ・ライアニエミ
知能を高められた犬と猫。
彼らは、囚われのご主人様を救うために、作戦を決行する。
蓄音機を聞く某メーカーの犬ちゃんがモデルというのが、もう卑怯(笑)
ただ、もはや魔法同様の遠未来技術で、ちょっと違和感。
そんな世界になってもご主人様を待つ犬ちゃんが可愛いのかな。職人気質の猫もいい。
・「可能性はゼロじゃない」……N・K・ジェミシン
突如、物事の確率が高まった町。
そこでは宝くじの当選率も事故の発生率も高まる。
一人暮らしのアデルは、毎日沢山のお守りを身につけて外出する。
感想は特にないんだけど、けっこう好き。
・「ハリーの災難」……ジョン・スコルジー
コロニー防衛軍の技術者ハリーは、コルバ族との外交で、殴りあう羽目に。
『老人と宇宙』シリーズ*1番外編。
やはり、このシリーズは楽しいなぁ。もっと未訳はないの?
・「小さき女神」……イアン・マクドナルド
近未来のネパール。
生きた女神となった五歳の少女。
しかし、血を流すと人間として俗世に戻らなければならない。
大人になった彼女は、神としての過去を恐れられ、結婚も出来ずにいた。
ある日、インドの神の如き新人類と結婚することになるが……
「ジンの花嫁」*2姉妹編。
個人的には「ジンの花嫁」より好きだなぁ。まぁ、よく覚えてないんだけど。
前半の生き神パートと後半のサイバーパンク的展開、食い合せの悪そうな要素が、アジアの空気に包まれて、なんとも言えない一体感を生み出している。
その中でこそ、語られる少女の成長譚。
「大森望の新SF観光局」は、お休み。
「堺三保のアメリカン・ゴシップ」は、Kindle
「SF挿絵画家の系譜」は、若菜珪
「サイバーカルチャートレンド」は、電子ブックと自炊
「サはサイエンスのサ」は、軽度発達障害型性格分類その2
「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、光より速い粒子?
香山リカは、ITベンチャー長者。
「乱視読者の小説千一夜」は、フィリップ・カー
「現代SF作家論シリーズ」
第11回は、小谷真理によるマイクル・クライトン論。
今までの中で、ベスト級に面白かった。
「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"Sleepes"ジョン・インゴールド
"The Ceiling is Sky"スザンヌ・パルマー
"Her Scientifiction, Far Future, Medieval Fantasy"ジェイスン・サンフォード
が面白そうだった。
来月の特集は、「小川一水」