自転車冒険記

自転車冒険記---12歳の助走

自転車冒険記---12歳の助走

自転車少年記*1の七年後の物語。

行けるところまで行ってみたいんだ――12歳の少年が卒業式の翌日、ロングライドの旅へ。『自転車少年記』より7年、『少年記』の昇平の息子・北斗が、自転車にまたがり、一人で家を出た。

自転車少年記』の続編というか、文庫版*2の続編。


甘酢っ!!


昇平の息子・北斗が小学校を卒業し、一人で自転車で大阪を目指したい、と告げるところから物語は始まる。
北斗の年齢は遠く昔のことだし、しかも現代の12歳なので、さすがにそういう点に共感はなく、こういう冒険に対して、イマイチ羨ましさも感じなかった。それよりも、昇平もすっかり人の親になったなぁ、としみじみし、彼が巻き込まれるトラブルにハラハラする。草太や伸男もゲスト出演。特に伸男夫婦は幸せそうで一安心。草太たちは相変わらずか。


正直、『自転車少年記』の深みには及ばないけど、あの時代とはまた違ったコミュニケーション、自転車の旅におけるインターネットの有用性などが描かれている。昇平たちの頃よりも、遙かに自転車も軽くなってるんだよねぇ。北斗の前にはさらなる冒険、希望、道が広がっていることを、海の道が表しているようで印象的。


奏とは違った甘酸っぱいラストが、もう! これもまた、20年前よりも、遙かに北斗の世界は広く、近くなってることを表してるんだよね。
やはり、羨ましいか(笑)