THE RED BARON

『レッド・バロン』鑑賞


題名だけで、内容はわかるでしょう(ロボットにアラズ)
シャア専用は、本当に目立つことがよくわかる映画。


戦争賛美する気はさらさらないんだけど、それは別として、複葉機による空中戦、ドイツの軍人貴族のカッコ良さっていうのは男心をくすぐるファンタジーだよねぇ。彼の死後、イギリス軍がドイツ陣地に「リヒトホーフェンに捧ぐ」という花束を落とした、というエピソードはロマンを感じてしまう。
大量殺戮時代の始まりであり、騎士道の終わりの狭間であるからこそ、彼が両軍に恐れられ、尊敬される戦闘機乗りとして存在できたんだよね。
彼らの未来を知るものとしては、またドイツは戦争を起こし、さらに今度は共に戦ったはずのユダヤ人の迫害を始める歴史に虚しいものを感じる。


映画的には、ちょっと地味。結末が決まっているだけに大幅な脚色も出来ず、戦闘シーンも思いの外少ない。事実に即しているとは言え、演出的にもっと緩急が欲しかった。リヒトホーフェンが自分の偶像化と戦争の実像に気づいてく様子もちょっと強引かな。
とは言え、個人間に憎しみはなくても、国同士が敵ならば殺し合わねばならないという愚行は、リヒトホーフェンの英雄としての姿に重ねられている。
全編英語なのは、ものすごく違和感。
あと、エピローグに政治的なものを感じてしまい、あれはいらなかったんじゃ……


『ドラキュラ戦記』*1読みたくなってきた。