THE MAN FROM PLANET X

北原尚彦氏の著作(『SF奇書天外』*1だっけ?)くらいでしか、言及されているのを見たことがないハンター・アダムスの〈惑星からきた伊達男〉シリーズ2冊。
 
新刊まで空いたので、ネタ的に着手。
カバーでは〈惑星からきた伊達男〉なんだけど、扉では〈惑星サビアからきた伊達男〉と言うおおらかさ(笑)ダンディ社っていう出版社もいいね。


第三帝国の女豹』THE SHE-BEAST〈ダンディ社〉

はるか宇宙のかなたサビア星から地球調査の円盤が飛来した。調査員のピーター・ランスは地球人になりすまし、ニューヨークへ行く。ピーターは暗闇で物が見え、一マイル離れたところからブラジャーの落ちる音を聞くことができる。さらに、ベッドの中における超能力も大変なものである。ふとしたことから事件にまきこまれ、CIAあり、KGBあり、空手あり、第三帝国の陰謀ありと、派手なアクションとセックスが展開する。

『虎の尾を踏め!』TIGER BY THE TAIL〈ダンディ社〉

ピーター・ランスは2回目の地球調査のため、惑星サビアから再びアメリカに戻ってきた。彼は、ニュージャージー生れのれっきとしたアメリカ人として登録され、もう身元不明の放浪者なんかではない。ピーターには、2マイル離れたところのブラジャーの落ちる音を聞くことができ、暗闇でも物が見え、危険を事前にキャッチする、というような超能力がある。そして、それに加えて、サビア星人独特のセックステクニックは、彼の前に現われる女たちを、ことごとく狂喜させ、昇天させてしまう。そんな彼が、ひょんなことからシベリア生まれの牝虎タンヤとテレパシーで意思を通じ知り合ったことから、めんどうな事件にまきこまれることになる。そして、タンヤの飼い主である自然動物公園の女主人、ヴェルヴァと深い仲になり、彼女の父親のとんでもないプレゼントをめぐって、CIA、KGB、正体不明の組織が入り乱れ、マシンガンが吠え、悪性の性病に侵され、とさんざんな目にあい、ついには、映画の主役として、アフリカに飛ぶはめになり、事件は思わぬ方向へと進展していく。

いや〜、わかってはいたけど、予想以上の中身ないなぁ。
展開が大味すぎで、ツッコミどころもないくらい。
設定こそは宇宙人だけど、SFではなく、むしろ007と言う感じ。


蛇のように、バイブレータのように動く巨根に、女たちは一目でメロメロ(笑)
美女を助ける→お礼にセックス→セックスに夢中で危機に気づかない、というのが基本パターン。
ポルノなんで唐突な濡れ場はお約束だからしょうがないけど、ホントにお約束だから、という無機質さ。
せめて、敵の尋問でセックス攻めにするとか、、いちいち挿入しないとテレパシー使えないとか、女なら美女に限らず虎でも相手にしちゃうとかそういう馬鹿馬鹿しい展開が欲しかった。彼を見ただけで女が欲情するだけで、宇宙人という設定が意味をなしてないんだよね。あまりの即物的で、ラブシーンに至る必然性の高め方は、さすがに現在のロマンス物のほうが巧み。真面目に語ることもないけど(笑)
ちなみに、あらすじにある「2マイル離れたところのブラジャーの落ちる音」と言うシーンは出てきません。


こういう本は電子化されることもなさそうだから、文化の担い手として我々(古本オタ)が守っていかなければ! つまんないから読まなくていいけど。