THE LOST FLEET : VICTORIOUS

彷徨える艦隊〈6〉巡航戦艦ヴィクトリアス (ハヤカワ文庫SF)

彷徨える艦隊〈6〉巡航戦艦ヴィクトリアス (ハヤカワ文庫SF)

『彷徨える艦隊6 巡航戦艦ヴィクトリアス』ジャック・キャンベル〈ハヤカワSF1804〉

敵艦隊の追撃をふりきり、ついに味方星域に帰り着いたアライアンス艦隊。運営審議会にその功績を認められ、一介の大佐から元帥へと特進したギアリーは、すぐさま艦隊を再編し、再度シンディック本拠星系をめざす。百年以上も続くこの戦争を終わらせるために!だが、つぎつぎに襲い来る敵の防衛艦隊を撃破し、敵本拠星系にようやくたどり着いたとき、シンディック幹部会は思いもよらぬ怖るべき罠を仕掛けて待ち受けていた!

〈マイルズ・ヴォルコシガン〉*1以外で唯一楽しみにしているミリタリーSFシリーズもついに最終巻。
シンディックの最後の策略およびそれに対するギアリーの作戦は、シリーズでも最高にSFならではの戦場を見せてくれる。また、シンディックの連合崩壊、その後ろの控える存在との一戦など、ミリタリーSFとして見せ場のバリエーションは多い。
しかし、やはり、見所はギアリーのアイドル性(笑)
元帥になりたくなくて駄々をこねる前半。デシャーニとリオーネに挟まれてオロオロする婿気質。「エレーン!」*2というかお姫様抱っこ*3というか、そんなラスト。
やっぱ、主人公にほつれがないと、ミリSFは面白みのない。
ページ配分が割とゆったりで、ホントに終わるの? とという展開なんだけど、ギアリーという人間を考えると、独断であれ以上は踏み込まないか。それ故にSFとしては欲求不満になるんだけど、ちゃんと後続シリーズがある模様。翻訳を楽しみにしながら、とりあえずはお疲れ様。